研究課題/領域番号 |
19K02259
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
坂田 周一 西九州大学, 健康福祉学部, 教授 (20133473)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 社会支出 / 福祉財政 / 経済成長 / 高度成長期 / 石油危機対応 / 福祉国家の危機 / 純社会支出 / 社会政策的租税支出 / 社会目的租税優遇措置 / 財政福祉 / 相対的貧困率 / 子どもの相対的貧困率 / 高齢者の相対的貧困率 / 租税支出 |
研究開始時の研究の概要 |
OECD諸国における社会支出の対GDP比平均が20%を超える水準となっていることについて、1960年以降の社会支出データの分析により長期的変動を明らかにする。その際、政策目的別社会支出分類のクラスター化により国別パターンを求め構造的変化を検討する。併せて、社会支出と租税制度の関連について、社会支出から公租公課を控除した純社会支出および社会目的租税優遇措置である租税支出ないし財政福祉について、各国の状況とその変化を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
OECD加盟国の社会支出の時系列変化について、1960年以降の高度成長期と1975年以降の石油危機対応期に分けて検討した。実質社会支出のGDP比が1960年に最も高い値を示したのは西ドイツの20.5%である。日本は8.0%であり主要7カ国の中で最も低い値であった。それ以降は、どの国も社会支出の伸びが見られ1981年には、日本は2.2 倍となる17.5%へと上昇した。もともと高水準であった西ドイツは 1.5 倍の 31.5%となっている。この変化について、経済成長率との関連性を把握するため、実質社会支出の所得弾力性、すなわち、実質 GDP成長率に対する実質社会支出成長率の比率を算出したところ、高度成長期平均が1.9であるのに対して石油危機対応期平均は2.3へと上昇した。このことは、石油危機前よりも危機後に所得弾力性が上昇した国が一定数存在したことを示している。すなわち、フランス(1.6 → 2.2)、ベルギー (2.1 → 3.6)、ギリシア(1.2 → 2.7)、ニュージーランド(1.4 → 8.8)、スウェーデン(2.0 → 4.7)、スイス(2.2 → 2.8)など国々である。これらの国では、経済危機の中であっても福祉支出を切り下げなかった、ないし、できなかったと思われる。逆の対応をとった国として、西ドイツ(1.8→0.8)、 オランダ (2.3→0.8)、ノルウェー (2.4 → 1.1)、アメリカ(2.4 → 1.0)、オーストラリア(1.9 → 1.0)などが挙げられる。これらの国では、社会支出を大幅に抑える対応をしたことがわかる。石油危機後の所得弾力性は国別のバラツキが大きく、危機への対応が国により大きく割れていて、経済成長率と社会支出との関連性は一様でないことが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究期間中に新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延があり、海外渡航が禁止ないし制限されたことにより、海外における研究情報の収集が不可能であったため、当初の研究計画の遂行が遅延する影響があった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長が承認され、また、海外渡航の制限が解除されたことにより、今後は遅延していた研究計画の部分をカバーし、研究の完遂ならびに取りまとめを行うこととしている。
|