研究課題/領域番号 |
19K02284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
小笠原 慶彰 神戸女子大学, 健康福祉学部, 教授 (00204058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 被占領期社会福祉 / 方面委員 / 民生委員 / 占領期社会福祉 / 被占領期 / 補助機関 |
研究開始時の研究の概要 |
被占領期の社会福祉についての研究成果は蓄積されてきているが、とりわけ被占領期において活動を再開した方面委員が民生委員と名称を変えていく状況の中で、実際にどのような活動をしていたのかということについては、明確にされていない。まさに「実際にどのような活動をしていたのか」を明確にすることが本研究の課題である。 本研究において、戦前期の方面委員活動が戦後の民生委員活動に引き継がれていく過程で、被占領期にどのようなことがあったのかを法的・制度的変遷の側面から明らかにすることに第一義的目的があるのではなく、実際に一方面委員・民生委員のレベルでどのようなことがあったかを明らかにしたいということである。
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研究成果の概要 |
岐阜県加茂郡佐見村(現・白川町下佐見)で民生委員を務めた某が保存用にまとめていたと思われる1946(昭和21)年6月から翌年9月にわたる「方面委員ニ関スル書類綴」を資料として、被占領期の社会福祉行政の変遷を実証しようとした。方面委員を衣替えして民生委員とした時点では民生委員は生活保護実施の補助機関とされていた。さらに1949(昭和24)年10月31日付社発第72号社会局長児童局長連名通知で生活保護実施の協力機関であることが明確にされた。しかし、この移行は実際には戦前期社会事業行政を引き継ぐ結果となり、いわゆる「名誉職裁量性」を残存させることになったと資料からは推測できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
被占領期の「生活困窮者生活援護事業」が当初は旧生活保護法の成立見込みを踏まえて実施されていたことや「生活困窮者救済用元軍用衣糧配給」が行われていたことがわかった。また方面委員(民生委員)が「所轄勤労署連絡委員」に選任されていたことや「余裕住宅の開放」に関しては、貸付勧告や貸付命令も行われていたことも明確にできた。ただ後者についての民生委員の役割はよくわからない。さらに佐見村では、役場厚生係から民生委員に対して保護受給者の生活扶助日額が通達されていたことも判明した。これらによって当時の社会事業行政の実状がある程度把握できた。
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