研究課題/領域番号 |
19K02286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
黒須 依子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (80369165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 精神障害者地域移行支援 / ピアサポート / ピアサポート活用事業 / ピアサポーター / ソーシャルワーカーの役割 / 長期入院患者 / 精神障害者地域移行・地域定着支援 / ソーシャルワーカー / 病棟看護師 / 連携 / 協議会 / 精神障害者 / 障害者地域移行・地域定着支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、精神障害者地域移行・地域定着支援推進を目的とする国の事業(以下「本事業」)として施行される精神障害当事者によるピアサポート(以下「ピアサポート」)の開始・継続に向け、本事業受託の福祉事業所(以下「受託事業所」)と精神科病院の病棟看護師間の連携を図るために必要な、受託事業所と精神科病院の各ソーシャルワーカー間の連携の手法と役割を明らかにすることである。 本研究では、精神障害者地域移行・地域定着支援支援推進を目的におく協議会委員を担当する福祉事業所と精神科病院の各ソーシャルワーカーに対しアンケート調査やインタビュー調査を行い、本研究目的について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、精神障害者地域移行・地域定着支援推進を目的として施行されるピアサポート活用事業でのピアサポートの実施・継続に必要なソーシャルワーカーの役割を明らかにすることを目的に、ピアサポーターやピアサポート活用事業を利用し精神科のある病院(「精神科病院」)を退院した精神障害者(「ピア事業利用経験者」)、ピアサポートを支援するピア事業担当ソーシャルワーカー、ピア事業協力病院所属ソーシャルワーカーに対し2019年度~2020年度にインタビュー調査を行った。 2022年度はピアサポーターや、ピア事業利用経験者に対し行った2019年度インタビュー調査結果の分析を進めた。2019年度インタビュー調査結果から、ピアサポーターの役割に関する認識が低い関連職員(病棟看護師、病院職員、行政担当者等)のピアサポータへの対応は、差別、偏見をピアサポーターに感じさせていたことが明らかとなった。その一方、自身と同じ精神障害を抱え、精神科病院入院経験をもつピアサポーターの共感支援や対等な立場での支援により、長期入院患者(ピア)は専門職との関係性とは異なる深い信頼関係をピアサポーターとの間に築いていたこと、その信頼関係醸成過程を確認した。また、この信頼関係を基に、長期入院患者(ピア)の意思表明意欲を促し退院(地域移行)へと支援するピアサポート過程の特徴を見出した。 これらの調査結果より、専門職支援とは異なるピアサポートの特性を抑制することなく、地域移行支援に向けたピアサポートへの支援を進める上で必要なソーシャルワーカーの役割について分析した。当研究結果の一部を、2022年度(第29回)日本精神障害者リハビリテーション学会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ピアサポーターやピアサポート利用後退院した精神障害当事者に対するインタビュー調査結果の分析に時間を要し、ソーシャルワーカーに対し行ったインタビュー調査結果の分析が遅れしまった。そのため、実施を予定していたソーシャルワーカーに対する追加調査を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023度は、ピアサポート活用事業担当事業所の事業担当ソーシャルワーカーやピアサポート活用事業協力精神科病院へ所属するソーシャルワーカーに対し実施した2020年度インタビュー調査結果の分析を進めると共に、必要事項について追加調査を実施する。これまでの調査結果と追加調査結果の総合分析を行い、ピアサポート活用事業におけるピアサポートによって精神科病院入院患者の地域移行支援を進めるために必要なソーシャルワーカーの役割について明らかにし、本研究結果としてまとめる。
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