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認知症家族・離婚家族のもつあいまいな喪失における家族支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K02288
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関龍谷大学短期大学部

研究代表者

黒川 雅代子  龍谷大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30321045)

研究分担者 青木 聡  大正大学, 心理社会学部, 教授 (40327987)
瀬藤 乃理子  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (70273795)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードあいまいな喪失 / 認知症の家族介護者 / 認知症 / 面会交流 / 親の離婚・再婚 / 認知症の人の家族介護者 / 離婚 / レジリエンス / 親の離婚 / 喪失 / 家族支援 / 認知症カフェ / 認知症家族介護 / 離婚家族 / 片親疎外 / 親子交流 / 悲嘆 / 認知症家族
研究開始時の研究の概要

あいまいな喪失とは、喪失そのものが不確実であるため、解決することも終結することもできない喪失のことをいう。
認知症の人を介護している家族は、現実的には存在していても、認知症のため以前のその人とは異なってしまっている人を対象としているため、不完全な喪失感を体験することになる。離婚を経験した家族の中には、親や子どもは存在しているにも関わらず、会うことが出来なくなる場合がある。こういった家族が体験する喪失をあいまいな喪失という。
認知症の人を介護する家族と離婚家族が体験するあいまいな喪失に焦点を当てて支援プログラムを検討するのが、本研究の概要である。

研究実績の概要

認知症の人のあいまいな喪失の支援については、ポーリンボスの新書『The Myth of Closure: Ambiguous Loss in a Time of Pandemic and Change』におけるあいまいな喪失についての文献研究を行なった。本書に書かれているコロナ禍、パンデミックにおけるあいまいな喪失について、介入のための6つのガイドラインについて検討した。特にあいまいな喪失におけるタイプ1、タイプ2についての考え方について再考した。さらに介入のための6つのガイドラインの新たな考え方についても理解を深めるために、認知症以外のあいまいな喪失の事例についても検討した。その上で、認知症の人に対するあいまいな喪失について考察した。
離婚家族のあいまいな喪失支援については、親の離婚とあいまいな喪失の関連を検討することを目的に,中学校卒業以前に親が離婚した人103名(調査回答時18歳~29歳、未婚、親の離婚後の監護者は母親)を対象として量的調査を行った。分析結果を論文『子どもの頃に親の離婚を経験した人のあいまいな喪失』にまとめた。父母が高葛藤で面会交流を行っていた場合および同居している母親が再婚した場合に、子どもがあいまいな喪失に苦悩するリスクがあることが示唆された。
Boss, Pauline.『The Myth of Closure: Ambiguous Loss in a Time of Pandemic and Change』 W. W. Norton & Companyの翻訳書『パンデミック、災害、そして人生におけるあいまいな喪失:終結という神話』誠信書房を共同で出版した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

認知症家族のあいまいな喪失支援については、2023年度は、認知症家族支援のケース会議を実施する予定であったが、高齢者領域では、まだコロナ感染症対策が継続しており、家族の理解を得た上でのケース会議の対象になる事例が見つからなかった。2024年度はケース会議を実施し、認知症家族の支援についての実践的研究につなげていきたい。
離婚家族のあいまいな喪失については、量的調査によって、離婚家族のもつあいまいな喪失に対する家族支援プログラムを開発するうえで欠かせない実証的知見を得ることができた。面会交流の有無は、親から子どもへの面会交流の説明の仕方と連関していたことから、円滑な面会交流の実施に向けて、離婚時の親ガイダンスに面会交流の説明の仕方のガイダンスを含めることが重要であると考えられた。また,同居している母親が再婚するときに、子どものあいまいな喪失に配慮する必要があることも明らかになった。

今後の研究の推進方策

認知症家族のあいまいな喪失支援については、地域包括支援センターに依頼し、認知症家族支援のためのケース会議を実施していきたい。また、今まで行った支援者インタビュー、家族インタビュー、事例のケース会議を通して、認知症家族のあいまいな喪失に対する支援の構築に努めたい。
離婚家族のあいまいな喪失支援については、離婚した父母に対する質的調査を行って、円滑な面会交流を実施できている親が、面会交流や再婚についてどのように説明したかを明らかにしたいと考えている。また、離婚時に面会交流について説明ができなかった場合や、面会交流の頻度や交流時間が少なかった場合、面会交流が途絶えてしまった場合の事情や心理について聞き取りを行い、離婚後の子育ての仕方を学ぶ親ガイダンスの内容に反映させたい。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (40件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (20件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 子どもの頃に親の離婚を経験した人のあいまいな喪失2024

    • 著者名/発表者名
      青木 聡・黒川 雅代子
    • 雑誌名

      大正大学研究紀要

      巻: 第109号

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] The Myth of Closure2022

    • 著者名/発表者名
      石井千賀子, 瀬藤乃理子. Pauline Boss
    • 雑誌名

      家族療法研究

      巻: 39(1) ページ: 43-46

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] あいまいな喪失への支援~Family Meeting2022

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      消化器ナーシング

      巻: 27(10) ページ: 86-86

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 連載:「あいまいな喪失」への支援 (1)さよならのない別れ、別れのないさよなら2022

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      消化器ナーシング

      巻: 27(1) ページ: 86-86

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 連載:「あいまいな喪失」への支援 (2)悲嘆が凍結するとき2022

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      消化器ナーシング

      巻: 27(2) ページ: 102-102

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「あいまいな喪失」への支援 (3)あいまいな喪失が及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      消化器ナーシング

      巻: 27(3) ページ: 86-86

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] あいまいな喪失とレジリエンス2021

    • 著者名/発表者名
      黒川雅代子、瀬藤乃理子、石井千賀子
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 21(6) ページ: 642-647

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] パンデミックにおけるあいまいな喪失とレジリエンスの視点2021

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      家族療法研究

      巻: 38(2) ページ: 97-98

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「あいまいな喪失」という概念とそのケア2020

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      訪問と看護

      巻: 25 ページ: 364-369

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 面会交流と養育費の実態2020

    • 著者名/発表者名
      青木聡
    • 雑誌名

      大正大学研究紀要

      巻: 105 ページ: 145-166

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際共著
  • [雑誌論文] 離別家族と片親疎外2020

    • 著者名/発表者名
      青木聡
    • 雑誌名

      アディクションと家族

      巻: 35 ページ: 12-20

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 離婚後の面会交流のためのオンライン親ガイダンス2019

    • 著者名/発表者名
      青木聡・小田切紀子
    • 雑誌名

      大正大学カウンセリング研究所紀要

      巻: 42 ページ: 25-42

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 災害とグリーフワーク2019

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子, 前田正治
    • 雑誌名

      精神療法

      巻: 45 ページ: 39-45

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 遺族のトラウマケア2019

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 雑誌名

      こころの科学

      巻: 208 ページ: 53-57

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] グリーフカウンセリング~そのフレームワークと現場での実践~2024

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      日本グリーフ&ビリーブメント学会教育セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 遺族ケアの原点とパラダイムシフト2024

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      第6回日本グリーフ&ビリーブメント学会学術大会 大会長講演
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] コロナの支援から得た遺族支援の教訓~コミュニティの傷つきとレジリエンスの視点~2024

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      第6回日本グリーフ&ビリーブメント学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 新型コロナウイルス感染症で亡くなられた人の遺族支援の取組2024

    • 著者名/発表者名
      黒川雅代子・赤田ちづる・大河内大博・西脇大成
    • 学会等名
      第6回日本グリーフ&ビリーブメント学会学術大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 終わりのない悲しみ~あいまいな喪失~2022

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      死生心理学研究会研究集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 親の離婚による「あいまいな喪失」と面会交流 ー母子家庭で育った18歳~29歳の未婚男女へのネット調査からー」2021

    • 著者名/発表者名
      青木聡
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] コロナ禍をしなやかに生きる力を育む ~“あいまいな喪失”への対処~2021

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      福島県臨床心理士会こころの健康会議
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 親の離婚による「あいまいな喪失」と面会交流2021

    • 著者名/発表者名
      青木聡
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] パンデミックにおけるあいまいな喪失とレジリエンスの視点2020

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      日本家族療法学会第37回東京大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 災害により「あいまいな喪失」をかかえる家族への支援2020

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      日本災害看護学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 福島第一原子力発電所事故後の複合的な「あいまいな喪失」による長期の心理社会的影響2020

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子、前田正治
    • 学会等名
      第25回日本災害医学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 認知症家族のもつあいまいな喪失の支援―Boss博士のコンサルテーションをもとに―2019

    • 著者名/発表者名
      黒川雅代子,瀬藤典子,石井千賀子
    • 学会等名
      日本家族療法学会第36回北海道大会自主シンポジウム「あいまいな喪失と家族のレジリエンス~さまざまな領域での取り組み~」
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 関西遺族会ネットワークの活動2019

    • 著者名/発表者名
      黒川雅代子
    • 学会等名
      第43回日本死の臨床研究会年次大会シンポジウム多様なグリーフケアの展開
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 「あいまいな喪失」という喪失についての理解と支援2019

    • 著者名/発表者名
      黒川雅代子
    • 学会等名
      第26回多文化間精神医学会学術総会シンポジウムD東日本大震災被災コミュニティの喪失と再生
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 面会交流への予防・支持的・治療的介入2019

    • 著者名/発表者名
      小田切紀子・青木聡
    • 学会等名
      日本家族療法学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 離婚紛争と子どもを考える2019

    • 著者名/発表者名
      青木聡・草野智洋
    • 学会等名
      日本臨床心理士会 定例研修会Ⅰ 司法矯正領域研修会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 米国における離婚後の親教育プログラムの日本での活用について2019

    • 著者名/発表者名
      青木聡・小田切紀子・草野智洋
    • 学会等名
      日本離婚・再婚家族と子ども研究学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 離婚家族の面会交流と養育費に関する実態調査2019

    • 著者名/発表者名
      青木聡
    • 学会等名
      日本離婚・再婚家族と子ども研究学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 震災8年~福島におけるあいまいな喪失~2019

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      日本家族療法学会第36回北海道大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] あいまいな喪失における儀式の意味2019

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子
    • 学会等名
      日本心理学会第83大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 『グリーフサポートと死生学』「あいまいな喪失とグリーフ」2024

    • 著者名/発表者名
      石丸昌彦、山崎浩司(編)、黒川雅代子(著)
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      放送大学教育振興会
    • ISBN
      9784595324666
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『グリーフサポートと死生学』「セルフヘルプグループ/サポートグループによるグリーフサポート」」2024

    • 著者名/発表者名
      石丸昌彦、山崎浩司(編)、黒川雅代子(著)
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      放送大学教育振興会
    • ISBN
      9784595324666
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] パンデミック、災害、そして人生におけるあいまいな喪失:終結という神話2024

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子, 小笠原知子, 石井千賀子(訳)(原著:ポーリン・ボス)
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      誠信書房
    • ISBN
      9784414414943
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] グリーフケアとグリーフカウンセリング2023

    • 著者名/発表者名
      瀬藤乃理子, 広瀬寛子
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535985094
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 離婚と面会交流2020

    • 著者名/発表者名
      小田切紀子・町田隆司編 青木聡
    • 総ページ数
      225
    • 出版者
      金剛出版
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] 「あいまいな喪失」情報サイト

    • URL

      https://al.jdgs.jp/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書 2020 実施状況報告書 2019 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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