研究課題/領域番号 |
19K02300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
篠田 美紀 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (10285299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 認知症 / 家族介護 / 回想法 / 認知症高齢者 / 介護家族 / グループ回想法 / 家族並行介護支援 / 相互支援ネットワーク / 家族介護支援 / 介護支援ネットワーク / コミュニティー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は認知症高齢者の診療の拠点になる認知症疾患医療センターに近い場所で、認知症高齢者とその介護家族が介護支援となるネットワークを日常的かつ長期的に維持できるコミュニティーシステムの構築を目指そうとするものである。 認知症診断後、認知症高齢者を対象としたグループ回想法と、介護家族を対象とした心理教育的ピアグループを並行して行う家族並行認知症介護支援プログラム(20セッション)を実施し、本プログラム終了後も継続的に日常生活の中で認知症疾患医療センターを中心とする認知症高齢者とその介護家族のネットワークの維持を支援する。新しい認知症介護支援コミュニティーの創設を促し、その過程を分析する。
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研究成果の概要 |
本研究は認知症高齢者とその介護家族が介護支援となるネットワークを日常的かつ長期的に維持できるコミュニケーションシステムの創造を目指した。しかし、COVID-19の感染拡大のため、2020年2月よりプロジェクトは中止となり、研究目的のコミュニティーシステムの構築は達成できなかった。プロジェクト前半の認知症高齢者の心理的介入の効果分析より、本プログラムは軽度アルツハイマー型認知症群への6か月間の介入で75歳未満では前頭葉評価バッテリーの得点に、75歳以上では見当識項目得点に改善が認められた。これらの維持された機能を引き続きサポートするための取り組みが重要であると改めて示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症初期は疾患の進行により中核症状である見当識や記憶機能の低下が指摘されており、心理支援の効果が知能検査などの改善データとして示されることはなかった。しかし本研究の介入成果からは、見当識や記憶を中心とした評価指標(HDS-R・MMSE)とは異なる前頭葉機能評価指標(FAB)に介入の効果が認められた。本結果から、軽度アルツハイマー型認知症の場合、中核症状による記憶低下や見当識障害は避けられないが、支援プログラムに6か月継続参加することで、計算機能などに顕される前頭葉機能の維持の可能性があり、中核症状の進行を認めながらも長期に渡って行う心理支援の必要性と可能性が明らかになった。
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