研究課題/領域番号 |
19K02331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桧垣 正吾 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (50444097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 放射性セシウム / 放射性微粒子 / 分離 / イネ / 原発事故 / コメ / 不溶性微粒子 / 不溶性粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
原発事故に伴って放出された放射性セシウムが、環境からコメへと移行するメカニズムを、極めて高濃度で放射能濃度への寄与が大きい放射性Cs含有不溶性微粒子(RCsBP)に着目して明らかにする。試料中のRCsBPは、1個の大きさが直径1~3マイクロメートルと小さいものの、単離することができ、RCsBPの1個ずつの放射能が決定できる。イネ中のRCsBP集積位置の解析、稲作環境中の放射性Cs濃度に対するRCsBPの放射能比の決定、RCsBPの寄与を考慮した環境からイネへの放射性Cs移行メカニズムを順に明らかにする。
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研究成果の概要 |
福島県の用水路でサンプリングした水をろ過したフィルターからそれぞれ2個のRCsBPを発見し、単離に成功した。その放射能および134Cs/137Cs放射能比から、いずれも2号機由来のRCsBPと判断した。一方で、その年に採取されたコメ試料からはRCsBPは発見されなかった。ゆえに、コメの放射能汚染にRCsBPが関与しているとは断定できない。しかし、 用水にはRCsBPが含まれていたことから、土壌などに含まれていたRCsBPが、風雨などの影響によって流入し、用水の放射性セシウム濃度の急激な上昇に寄与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境中に存在するRCsBPが、特に低濃度の放射性セシウム濃度の変動に大きな影響を及ぼす可能性を示した。 今回確立したRCsBPの分離手法・分離技術の最適化により、様々な試料から多量のRCsBPの単離が可能になった。また、長時間測定によるRCsBPの精密な放射能測定が可能になったことにより、主に事故直後にサンプリングした試料から多数のRCsBPの単離や評価が可能になった。本研究の本来の目的からは外れる部分があるものの、科学的に意義のある成果を出す基礎となる重要な技術であると考えている。
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