研究課題/領域番号 |
19K02343
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
真部 真里子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50329968)
|
研究分担者 |
久保 加織 滋賀大学, 教育学部, 教授 (10190836)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 和食 / 煮汁 / におい / 五基本味 / 官能評価 / GC分析 / 醤油 / 減塩 / 八方だし / 味 / しょうゆ / みりん / 鰹だし / 香り / GC-O分析 / GC-MS分析 / 後鼻腔 / 基本味 / 調味料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、和食の「煮物」に着目し、その調味液の香りが料理の味に及ぼす影響を検討する。調味料は多種多様であるため、ここでは、煮物の調味液として汎用される八方だしの考え方に基づき、醤油、みりん、鰹だしの三者について検討することとする。 まず、鰹だしや各調味料単独での香気成分の揮発性が、調味料を組み合わせることによって、どのように変化するか、「香りの質」と「香気成分」の2つの観点から検討する。その上で、その後鼻腔経由の香りによる間接的調味力、すなわち、五基本味の呈味強度への影響を官能評価によって明らかにする。影響があった場合は、実際の調理品でもその現象が認められるかを確認する。
|
研究成果の概要 |
醤油、みりん、2%鰹だしを1:1:10で混合した八方だしを煮汁のモデルとし、これと、みりんまたは2%鰹だしを水に置き換えた試料の香りによる五基本味の発現を官能評価によって検討した。 その結果、醤油にみりんを加えた試料の香りによって塩味増強効果が認められた。みりん由来成分によって醤油の香気成分の揮発性が変化したと考えられた。また、水または0.80%食塩水に上記試料の香りを付与し、塩味以外の味への影響を検討した。水に付与した場合、明確な味の認識は認められなかった。食塩水に付与した場合は、だしの香りで有意にうま味が惹起されたが、醤油の香りと塩味だけでもうま味がすると錯覚する可能性も示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、後鼻腔経由の香りの味への影響を定量的に測定する官能評価法を活用し、調味液の後鼻腔経由の香りによる五基本味への影響を数値化することをめざした。塩味以外の数値化には至らなかったが、得られた研究成果は、和食における嗅覚-味覚の相互作用による呈味への影響を解明する一助となり、調理加工での調味法や食育での味覚教育にも活用しうると考える。また、我々日本人が、食塩、砂糖など特定の呈味物質を主成分とした調味料だけでなく、多種多様な風味成分からなる伝統的発酵調味料を大切に受け継いできた意義をも後押しするものとなったと考えている。
|