研究課題/領域番号 |
19K02353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
内藤 章江 お茶の水女子大学, 生活科学部, 学部教育研究協力員 (70367639)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 学校制服 / 服育 / 制服導入効果 / 制服着用効果 / 学校現場 / 評価指標 / 学校着用服 / デザイン / コミュニケーション / 指標作成 / 効果測定 |
研究開始時の研究の概要 |
2018年に公立小学校の制服としてハイブランドの「標準服」を採用したことが話題となり、その経済性や採用プロセス、採用理由や導入効果について批判が寄せられ、着用者である児童はもとより、保護者、学校、地域住民に対する負の影響は非常に大きなものとなった。この問題を解決するために、本研究では学校制服や標準服に限らず自由服も含めた「学校で着用する衣服」が着用者とその周囲の人々(保護者、教師、地域住民など)との関係性をどのように構築し、どのような諸感覚を育むのかを解明し、それを「服育」に応用する方法を提案する。さらに服育の効果を測る指標を作成し、「服育」効果の可視化を試みる。
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研究実績の概要 |
A県I市の中学校(計19校)は、2022年4月に「みんなの想い」を反映した学校制服を導入した。2022年度は本研究の最終目的である「学校着用服が育む諸感覚の解明」と「服育への応用方法・効果測定指標の開発」を達成するために、A県I市の中学校における「みんなの想い」を反映した学校制服(新制服)導入直後の諸効果と、制服導入からしばらく経過した学校現場の変化について調査し、「みんなの想い」を反映した制服が着用者である中学生、今後着用を予定している小学生、着用者と着用予定者の保護者や教員にどのような諸感覚を育み影響を及ぼすのか、また、学校現場にどのような変化をもたらすのかを明らかにした。
新制服の「導入効果」を明らかにするために2022年4月~5月にI市の小6~中2(計5,471名)と教員・保護者(計6,642名)を対象にオンラインによる質問紙調査を実施し、「学校現場の変化」を明らかにするために2022年12月にA県I市立の中学校(19校)の校長(計19名)を対象にオンラインによるヒアリングを実施した。その結果、児童・生徒においては新制服は通っている学校の一員であることを自覚させる効果が高く、保護者・教員においては着こなし方に関心を持つ気持ちの醸成する効果を期待していることが明らかとなった。新制服を導入してよかった点と、醸成される気持ちには相関が認められ、「よかった」と思うことがポジティブな諸感覚を生み出すことが明らかとなった。19中学校長へのヒアリングの結果、新制服導入から9か月経過した学校現場は、生徒が自主的かつ積極的に自治活動が行われ、身なりやきまり(ルールや校則)を見直し考える行動がなされることが明らかとなった。つまり、「みんなの想い」が反映された制服を導入するとポジティブな諸感覚を生み出し、生徒の自主的で積極的な「変化を起こす行動」を促すことにつながることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
柔軟に計画変更・対応したことにより、研究を停滞させることなくコロナ禍においても調査を実施できる方法(オンライン・Googleフォームを活用した調査を実施)・協力体制(A県I市の小中学校、教育委員会の協力)を得ることができ、2021年度、2022年度は本研究の最終目標に向けた調査・分析を進展させることができた。しかし、2022年度中に服育効果測定指標の作成及び検証を行うことができなかったため、2023年度まで研究活動を延長することにした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでの研究成果を取りまとめ、服育効果を可視化し、教育現場で利用可能な服育効果測定指標を作成する。作成した指標は実際に有用性と汎用性を実証的に検討し、本研究の最終目的である「学校着用服が育む諸感覚の解明」と「服育への応用方法・効果測定指標の開発」を行う。
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