研究課題/領域番号 |
19K02364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
山田 千佳子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 准教授 (30351216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ω-5グリアジン / 食物アレルギー / 小麦アレルギー / 小麦加工品 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギーにおいては、摂取した食品中のアレルゲン含量が等しいと思われる場合でも、加工方法の違いにより誘発症状が異なる患者が存在する。この原因を明らかにするために、本研究では、加工方法の違いによる小麦アレルゲンの変化がアレルギー症状の誘発に及ぼす影響について解析する。そのために、①小麦アレルゲンを検出するための抗体を作製し、これを用いて、②小麦生地および加工品の作製と各試料中小麦アレルゲンの存在状態の解析および③小麦加工品中のアレルゲンの消化・吸収性の解析を行う。さらに、④加工方法の異なる小麦加工品のアレルギー症状誘発能の解析を行い、患者にとって安全な小麦加工方法について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、加工方法の違いによる小麦アレルゲンの変化がアレルギー症状の誘発に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。リコンビナントω-5グリアジンを用いてモノクローナル抗体を作製し、異なる条件で作製した小麦生地を純水で茹でたときの溶出アレルゲンを検出した。その結果、茹で時間が長いほど、茹で時の生地の表面積が大きいほどアレルゲン溶出量が増加した。さらに生地のpHを変化させると、アレルゲンの溶出量は酸添加生地>アルカリ添加生地>水添加生地となった。 また、in vitroでのω-5グリアジン検出系の確立を目指して、リコンビナントω-5グリアジンの消化・吸収性を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、不溶性タンパク質であるプロラミンに分類されるω-5グリアジンが、小麦生地を茹でる際に茹で汁中に溶出することを明らかにした。また、小麦生地に酸やアルカリを添加すると、ω-5グリアジンの溶出量が増加した。ω-5グリアジンはアミノ酸配列が明らかとなっており、システイン残基を持たないため、生地作製時に他のタンパク質とS-S結合を形成しない。そのため、茹でる操作で水中に溶出したのではないかと考えられる。その結果、うどんはわずかながら低アレルゲン化されており、同量の小麦粉を含むパンと比較すると症状が出にくいのではないかと考えられた。
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