研究課題/領域番号 |
19K02383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
安藤 清一 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (80131986)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | カロテノイド / 特異的タンパク質 / 水溶性 / 電気泳動 / 果実類 / 野菜類 / 複合体 / 水溶性化 / 機能性解析 |
研究開始時の研究の概要 |
抗酸化作用や生活習慣病の予防効果が期待されるカロテノイドは、生物に普遍的に存在する脂溶性の生理活性色素である。ニンジンやウンシュウミカンなど、身近な野菜や果実類の脂質量はきわめて少ないにも関わらず、カロテノイドを含有する。また、野菜や果実類から調製した果汁を放置することによって、薄く着色した上澄みが生成する。これらの事実は、野菜や果実類では、本来脂溶性であるカロテノイドが水溶性に可溶化されて存在する可能性を強く示唆する。本研究では、野菜や果実類に存在するカロテノイドが水溶性に可溶化される現象を明らかにした上で、可溶性カロテノイドの形成に関わる特異的タンパク質を単離し、その性状を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本来脂溶性であるカロテノイドの一部がウンシュウミカン、マスクメロン、カキ、ビワ、ニンジン、パプリカ果肉では水溶性に可溶化される現象を見いだした。本研究課題の素材として最適と判断したパプリカ果肉を生理的食塩水(pH7.4)中でホモジナイズし、遠心分離、硫酸アンモニウム塩析、ゲル濾過に供し、着色した水溶性画分を得た。本着色画分を遠心濃縮し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した結果、未染色状態で分子量10,000ダルトン付近に着色したバンドを確認することができた。したがって、パプリカ果肉中の脂溶性カロテノイドの一部はタンパク質と複合体を形成し、水溶性に可溶化されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、本来脂溶性であるカロテノイドの一部が、野菜や果実類では特異的タンパク質との相互作用によって水溶性に可溶化される実体を食品化学的に明らかにしたものであり、カロテノイドは脂溶性色素であるという従来の固定概念とは異なる、新たな学術的成果を提示することができた。 今後、脂溶性カロテノイドを水溶性に可溶化する特異的タンパク質の構造や機能の詳細な解析を通じて、野菜や果実類における水溶性化されるカロテノイドの機能性を食品生化学的に明らかにすること、さらに本特異的タンパク質には機能性食品素材としての新たな可能性を期待させる。
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