研究課題/領域番号 |
19K02385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 秋田栄養短期大学 (2022) 兵庫大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
細川 敬三 秋田栄養短期大学, 栄養学科, 教授(移行) (30311393)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 追熟バナナ / ペクチン / 比容積 / グルテンフリー / バナナ / 追熟 / 発酵量 / 小麦澱粉 / 大粒澱粉 / 小粒澱粉 / 製パン性 / 多糖類 / 製パン |
研究開始時の研究の概要 |
グルテンフリー食品を開発するためには、「①小麦を使用しない、②小麦に含まれるグルテンを除去する、③グルテンの代替成分を使用する」などの方法がある。申請者はグルテン代替成分として追熟バナナに含まれる水溶性高分子成分(分子量6,000以上)に着目した。このバナナ成分は、従来使用されている多糖類に比べて少量で効果を示した。 本研究では、追熟バナナに含まれるグルテン代替成分を特定し、膨化性(気体保持性)に関する特性を明らかにするとともに、グルテンフリー食品への利用可能性を示す。
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研究実績の概要 |
これまでグルテンフリーパンの製造のため、グルテンの代替として追熟バナナの利用と関与する要因について研究を実施してきた。この中で、追熟バナナの関与成分としてパン酵母の発酵原料となる低分子の糖類(グルコース、フルクトース、スクロース)およびグルテンの代替としてペクチン(主に、キレート可溶性ペクチン)の重要性を報告してきた。 今年度は、グルテンの代替成分としてのペクチンの特性について検討するため、市販ペクチン3種類(高メトキシルペクチン(シトラスペクチン、リンゴペクチン)、低メトキシルペクチン)を用いて製パン性について比容積を指標として調査し、追熟バナナに含まれるペクチンの特性を3種類のペクチンと比較した。これら3種類のペクチンでは、最適添加量はシトラスペクチンで1%、リンゴペクチンで5%、低メトキシルペクチンで6%で、その最適加水量はそれぞれ70、80、70Bakers'%であった。3者の中では、シトラスペクチンが最も少量でグルテンの代替となり得た。 一方、製パン性に最適な追熟期間が2週間のバナナに含まれるペクチンは、3.28%(対乾物)で、製パン時にはペクチンとして0.328%を添加しており、シトラスペクチンより非常に少ない添加量でグルテンの代替としての役割をはたしていた。この結果からペクチンがグルテンの代替として利用できる可能性を示すことができるとともに、その種類によってグルテンの代替効果が異なることが明らかとなった。また、バナナに含まれるペクチンはかなり少ない量でグルテンの代替になりうることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、所属が移動したため移動先の研究施設に不足があったため、研究の遂行がかなり遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
小麦澱粉を用いたグルテンフリーパンの製造に関与する追熟バナナの要因としてペクチンが重要であることが明らかになったが、小麦澱粉と追熟バナナに含まれるペクチンの両者の関係が明らかにされていない。従って、今後は、小麦澱粉を構成する大粒子澱粉および小粒子澱粉と追熟バナナに含まれるペクチンがどのような相互作用により、生地中に気体を保持して製パン性が向上しているのかを明らかにしたい。 このため、小麦澱粉から大粒子と小粒子澱粉を分離し、両者を任意の割合で混合したものに追熟バナナのペクチンを加えた生地における気体の保持状況をSEMにより観察するとともに、製パンによる比容積の測定から両者の役割を明らかにしたい。
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