研究課題
基盤研究(C)
ユズは、多くが加工利用されている。果実中に多くの種子を有しており、これらユズ種子は産業廃棄物として廃棄されてきた。我々は、未利用資源であったユズ種子をアロマテラピーや香粧品分野への有効活用を目指して、種子油や種子エキスを調製し、それらの理化学的特徴や皮膚への安全性、およびヒト皮膚の水分保持効果・メラニン生成抑制効果などの機能性を明らかにしてきた。本研究では、ユズ種子の香粧品分野におけるさらなる優位性や付加価値化を明らかにすることを目的とする。具体的には、ユズ種子油および種子エキスの抗菌作用、抗アレルギー、抗シワ作用などの機能性を、微生物や培養細胞などを用いて試験管レベルで評価する。
ユズ果実は 1 個当り 30 個前後の種子を含み、その重量は果実重量あたり約 2 割を占める。また、果実のほとんどが加工利用され、種子の有効活用が望まれていた。本研究では、ユズ種子の香粧品への活用を目的として、機能性評価を行った。ユズ種子エキスは、フラボノイドを多く含み、シミ・くすみの原因となるメラニン生成を抑制した。また、肌のハリ・弾力性に関与する細胞外基質の分解を抑制し、産生を促進した。特に、摘果される未成熟果実(青ユズ)の種子は、機能性成分含量およびいくつか機能性が高く、今後の有望な香粧品原料となりうることが期待された。
これまで産業廃棄物として経費をかけ廃棄されてきた一方、ユズ生産地では古くからユズ種子を焼酎に漬け、その抽出液を美容液として活用されてきた。また、アロマテラピー分野では、資材のほとんどは外国産であり、和製の資材への関心が高まりとともに、それらの基礎的研究が求められていた。本研究成果は、廃棄されるユズ種子が和製の香粧品およびアロマテラピー分野における有用性、機能性を見出し、今後の有望な資材や原料となりうることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Nutrients
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アロマテラピー学雑誌
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