研究課題/領域番号 |
19K02391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小玉 亮子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50221958)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 幼児教育 / ジェンダー / 社会史 / ドイツ / ナチス / ペスタロッチ・フレーベルハウス / 母なるもの / ナチス期 / 戦争 / 家族史 / ペスタロッチ・フレーベル・ハウス / 家族 |
研究開始時の研究の概要 |
ナチス・ドイツにおいて、幼児教育がどのような役割を果たしたのか、そして、なぜ、そのような役割を果たすこととなったのかについて明らかにすることを本研究の目的とする。1930年代から1940年代においてドイツ・フレーベル連盟及びそこに参加していた有力な団体の一つであるペスタロッチ・フレーベル・ハウスの活動を分析の対象として、幼児教育とナチスの関係について明らかにする。特に、国家と家族にとって幼児教育はどのような位置付けが与えられていたのかに留意する。このことは、ドイツの幼児教育とファシズムの関係を問うのみならず、幼児教育それ自体のもつ課題に迫りうるものとなると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究は、ナチス・ドイツにおいて、幼児教育がどのような役割を果たしたのかを明らかにすることを目的としている。分析対象は、ドイツの幼児教育の中心にあったペスタロッチ・フレーベル・ハウスの活動である。特に、ヴァイマル期以降のキーパーソン3人の女性たち、リリー・ドレシャー、ヒルデガルト・フォン・ギールケ、ヘニー・シューマッハーについて分析を行った。この分析を通じて、ナチス期に幼児教育がその勢力を拡大させていったことが明らかになると同時に、幼児教育における母性イデオロギーや中産階級的道徳がナチスの思想に歓迎されたことを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、ナチス・ドイツのペスタロッチ・フレーベル・ハウスの活動の分析を通じて、ナチス期に幼児教育がその勢力を拡大させていったことが明らかになると同時に、幼児教育における母性イデオロギーや中産階級的道徳がナチスの思想に歓迎されたことが明らかになった。この結果は、母性イデオロギーや中産階級的道徳のみでは、全体主義の動きに対して迎合するものとなりうる危険性があることを示すものであると言える。この成果から本研究の意義は、子どもに対する母親の役割の強調や、社会道徳の教育を強調するような今日の教育のあり方に対して、それが持つ陥穽を示唆することにより、再検討を迫る問題提起をした点にあると言える。
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