研究課題/領域番号 |
19K02402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都女子大学 (2021-2022) 大阪市立大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
森 久佳 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (00413287)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 教師教育 / 教育学 / 教職におけるwell-being |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、教職における長時間勤務・多忙化と生活時間の貧困化の改善を図りつつ、専門職としての教職の専門性の高度化とwell-beingの向上とを同時に果たしながら、チームとしての学校づくりを効果的に展開することに資する研究的知見を創出・提示することである。そのために本研究は、教員(教師)が専門職として自らの専門性と、国際的な諸研究ですでに着手されている「専門職としての教職におけるwell-being=心身の幸福と健康」の観点から国内外の研究動向の整理・検討し、チームとしての学校づくりを展開している学校を対象に事例研究を行い、我が国固有の状況も踏まえた研究的知見の創出と提示を図る。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、教職における長時間勤務・多忙化と生活時間の貧困化の改善を図りつつ、専門職としての教職の専門性の高度化とウェルビーイング(well-being)の向上とを同時に果たしながら、チームとしての学校づくりを効果的に展開することに資する研究的知見を創出・提示することである。 2022年度は、主として次の4つの活動を行った。 ①ウェルビーイングやレジリエンス(resilience)の観点から「学校」という教育機関及び「教師」という存在そのものを問い直し、そうして得られた知見を現職研修の機会等で還元することも試みた。 ②ウェルビーイングをディスコース(discourse)の観点から理論的に整理・検討した。その結果、ウェルビーイングは、1.身体的健康増進、2.社会情動的・心理的学習、3ケア、4.繁栄・開化の哲学、5.持続可能性、のディスコースに整理できることを見出した。 ③UNESCOやOECDの動向をレジリエンスやウェルビーイングのディスコースの観点から捉え直し、今日主流となっている功利主義的・人的資本論に基づく教育のディスコースは、オルタナティブなディスコース、すなわち、ウェルビーイングをめぐる解釈の多様性を尊重した共通善(common good)の視点に基づく「ヒューマニズム的アプローチ」を基軸とするディスコースと弁証法的観点から検討されることが必要であること、また、そうした視点を、世界的な問題・課題として指摘されている教師の脱専門職化からの脱却にも生かす可能性について、学会のシンポジウム等で提示した。 ④オランダ王国にて複数の学校を訪問してインタビュー調査や聞き取り等を実施し、学校づくりとウェルビーイングとの関係についてのデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響は昨年度よりも弱まってきたため、書籍や文献等の収集・検討に加えて、学校訪問調査等も少しばかりだが実施することができ、昨年度以上の活動を実施することができた。また、年度末に、オランダ王国に学校訪問調査を実施することができた。しかし、一方で、当初計画していたOECDフォーラムには参加できず、ウェルビーイングに関する国際的な展開を実地にて調査等行うことや、国内の学校訪問調査が十分に実施できなかった。以上の点を踏まえると、現在までの進捗状況は、前年度の遅れを取り戻しながらも、やや遅れていると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
学校訪問調査等や教師(教員)個人ないし集団に対してライフ・ヒストリーないしライフ・ストーリーの観点も交えた質的なインタビュー調査に着手し、Teacher Well-being及びTeacher Resilienceの実相の解明に迫る研究に加えて、そうした観点に基づいた現職研修プログラムの開発にも実施する予定である。
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