研究課題/領域番号 |
19K02410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 清泉女学院大学 |
研究代表者 |
松原 信継 清泉女学院大学, 教育文化研究所, 研究員 (30593545)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | スクールロイヤー / 子どもの権利 / スクールソーシャルワーカー / 専門職協働 / 学校の法化 / チーム学校 / 子どもの最善の利益 / 教育メディエーター / 学校紛争解決 / 開かれた学校 / 教職員の専門性 / スクールロイヤーの活動に関わる調査 / 顧問弁護士 / 教育の法化 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、各自治体で導入が進められているスクールロイヤーは「チーム学校」の一員としてその効果を発揮することが期待されるが、欧米の研究においては、法的な思考や専門用語が学校に浸透していくことはマイナス要素も伴うものであることが指摘されている─学校の「法化」現象や教職員の過度な専門家依存など─。本研究においては、申請者のこれまでの米国研究の知見を活かし、目下、愛知教育大学で進行中の日本初の教育メディエーター養成事業とも連携しながら、わが国において最も効果的なスクールロイヤーの在り方の探求とともに、ロイヤーとメディエーターが協働する新たな日本型モデルを提示しようとするものである。
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研究実績の概要 |
【1】今年度は、前年度3月に実施した海外調査をもとにして「Child-Centered Approachによる学校での子どもの権利保障─サンフランシスコ市LSCの取組みの事例を参考にして」というタイトルで学会発表を行った(日本教育政策学会第30回大会)。また、日本教師教育学会の年報編集委員会からの依頼により「スクールロイヤーと教職・教育関連専門職のあるべき連携協働─岐路に立つスクールロイヤー制度」と題した紀要原稿を執筆し、同学会の『年報(32号)』に、これまでの研究成果を基にした研究論文を掲載した(2023年9月発刊)。 【2】今年度は、初年度のアンケート調査から浮かび上がってきたスクールロイヤー(以下SL)とスクールソーシャルワーカー(以下SSWr)等の連携問題を一つの焦点として研究を進めてきたが、その取り組みの一環として、SLを含む弁護士8名、SSWr5名等、計31名の参加者による専門職間の意見交換会を開催することができた。 【3】本研究の一つの柱は、アクションリサーチの手法を用いてSL制度のモデル案を構築することにあったが、今年度は、愛知県日進市からの研究協力の承諾を得て、同市が始めたSL・SSWrと各学校との定期相談会への参加など、今後の研究発展に向けての足がかりを得ることができた。 【4】今年度の研究活動の多くは、初年度に行ったSL・教育委員会・学校の三者へのアンケート調査結果から得られたSL制度の課題解決へ向けた取り組みであったと言える。その意味で、その研究成果は、前年度に刊行したSLに関する市民向けの図書の出版とともに、期間全体にわたる研究活動の集大成であったと言うことができる。本研究の全体を通して、SL制度の成否は、子どもの権利保障の実現とSLとSSWr等の他職種との連携協働の在り方いかんにかかっているという知見をエビデンスとともに提示し得たと言えよう。
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