研究課題/領域番号 |
19K02411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦史 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40645305)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 近代学校 / 置賜地方 / 東置賜郡 / 三島通庸 / 柴山景綱 / 地方巡幸 / 明治天皇 / 地域教育 / 地方名望家 / 豪商 / 高畠小学校 / 山形新聞 / 明治十四年山形巡幸 / 南置賜郡 / 近代天皇像 / 天皇巡幸 / 興譲小学校 / 米沢 / 地域社会 / 明治前期 / 学校教育 / 天皇像 / 明治期 / 公教育制度 / 天皇権威 / 教育勅語・御真影 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期の地域社会において公教育制度が展開していく過程を、天皇権威の「受容」との関係性に着目して歴史的に検討する。その際、本研究では、明治前期に行われた天皇巡幸における天皇の訪問校に焦点をあて、山形県の庄内地方と南置賜郡の事例を通じて検討する。地域社会が、近代学校という新たなシステムを受け入れ、支持していく際に、それを「正当化」し、「権威づけ」る天皇の存在と、そこで醸成される天皇像の在りように着目することで、地域社会において「模範的」とされる学校運営が政治権力や天皇の権威との「親和性」を有していく歴史的構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、明治期の地域社会において天皇の権威が受容されていく過程を、公教育制度の展開に留意して検討した。その結果、①山形県東置賜郡で、県令三島通庸と同郷の郡長柴山景綱が近代学校の設立と地域社会の近代化を進めた過程と、②南置賜郡とは対照的に県令三島との政治的距離を接近させた東置賜郡の近代化は進み、三島自身も、その実現に期待を寄せた事実、さらには、③東置賜郡の川樋学校、屋代学校は、天皇の訪問に際しては、立礼の実践などを通じて人々が天皇の権威を受容する素地を形成し、さらに天皇の訪問を「名誉」「誇り」と受け止め、地域社会に近代的な天皇像を醸成させる役割を担った、という3点が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の意義は、明治期の山形県において、学校教育が整備され、そしてその学校を通じて近代的な天皇像が形成される過程を、強権的な手法で急速な近代化を図った県令三島通庸と地域社会との政治的距離感に留意して明らかにした点にある。さらにその過程を明治前期に行われた天皇巡幸に着目して検討することで、地域社会に創設された学校を通じて人々に近代的な天皇像が形成されていくプロセスの一端を示した。これらの検討は、教育史研究における近代天皇制の検討にも新たな手法を提示した点で、有意義なものと考えている。
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