本研究課題では、次世代の入学試験(高大接続の方法)における記述・口述試験の構想を、ドイツ語圏の入試改革を参照しながら基礎づける。ドイツ語圏の入試を参照する必要性は次のとおりである。 ドイツ語圏の入試は、①中等教育の出口管理による非競争的試験であり、②記述・口述による試験方法が伝統的に実施されている。しかし、③日本とは異なる入試制度でありながら、日本と同様の問題群(評価の客観性、妥当性、公平性をめぐる問題、学生の学力低下の問題)の存在があり、そのために④オーストリアでは新しい入学試験制度を導入しているからである。 本研究では、以上4点を分析の視点としながら取り組むことになるだろう。
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