研究課題/領域番号 |
19K02443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸山 美貴子 北海道大学, 教育学研究院, 助手 (30360879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 子ども観と育児観 / 保育園 / 幼児 / 発達 / 子育て / 親 / エンワーメント / コミュニティ / エンパワーメント / 親のエンパワーメント / インフォーマルコミュニティ / 家族支援 / 実践コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
子育て支援において家族支援、とりわけ親のエンパワーメントは不可欠であるが、その過程と条件について、保育園児の親を対象とした研究はほとんど見られない。本研究は、保育園・幼稚園児の親が集うコミュニティとして保護者会や家族会を対象とし、社会教育学的観点により、親のエンパワーメントの過程とその条件としての教育・学習実践の解明を課題とするものである。その際に、教育・学習実践を、個人が知識や力量を獲得していく<個体モデル>としてではなく、問題を顕在化・課題化し解決にとりくむ実践共同体(=実践コミュニティ)の形成と一体のものとして把握する<コミュニティモデル>として、事例調査から実証的に研究するものである。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、令和3年度に引き続き同じ保育園(北海道中央部に開園)を対象に以下の研究を行った。 (1)令和4年度に園長の交代があったため、新園長より昨年度の保育総括について重点的に聞き取り調査を行った。そのうえで、令和4年度の保育方針、年間計画、保育課程の課題などにかんする聞き取り調査を行った。(2)昨年聞き取り調査を行った年中児が年長児になったが、担任保育士が入れ替わったため、昨年度の担任保育士から評価についての聞き取りを行い、新担任保育士からは、年長児児の保育状況と子どもの発達課題、親集団のあり方への評価にかんする聞き取り調査を行った(3)年長児クラスの親集団リーダー、サブリーダーから、親集団現時点での評価、これまでの変化、今後の課題等の聞き取り調査。(4)年間の主要な行事活動、「保育園の夏まつり」と運動会への参与観察を計画。(5)10月に行われた親集団がとりくんだ行事の準備過程の聞き取り。 とりわけ(3)においては、親どうしの対立が起こった局面とその理由、解決プロセスについて聞き取りを行った。子ども集団の中でのでき事や行事が発端となり、自身の子どもへのとらえ方と育児観の異なりが表面化すること、父親と母親の育児観の異なりも要因であること、保育園の保育方針との衝突も見られること、子どもへの働きかけ方針を保育士と親集団でどれだけ共有できるかが鍵であるが、一二度の懇談会のみでは不可能であり継続した話し合いが必要であること。インフォーマルなコミュニケーションと保育士の関わりが大切になってくるが、コロナ禍でインフォーマルな関わりが制限され難しくなっていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は、初年度に定めた研究視点を用い、年中から年長児の子どもの集団のあり方の変化と親の集団形成の対比を視野にいれながら調査を試みる予定であった。 しかし、当初の予定では、(1)節目ごとに行われる保育士の保育総括会議への参与観察、(2)毎月実施される保育士と親との懇談会、(3)親どうしのインフォーマルな集まりへの参与観察、(4)子どもの発達課題と親の関わりの関連があらわれやすい課題にとりくむ時期の保育園での参与観察を行う予定であったが、コロナ感染が拡大する状況下、保育園への出入りが制限されたため保育園内での調査が不可能であった。とりわけ、年度初めから休園が相次ぎ、外部者の立ち入りや接触が厳しく制限されたことから、調査の中断を余儀なくなれた。 全体として、保育参加や行事への参加、懇談会などへの参加など、直接の参与参加や対象に関わることが出来なかったため研究者自身の評価が行えず、聞き取りからの二次的検証に留まっている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の調査を受けて、今年度の年長児クラスを対象に、保育における保育士と子どもの関わり、子ども集団の形成、親集団の形成の調査研究を行っていくこととする。 今後の推進方策として、重点をおくのは以下の点である。 (1)年長児は、子ども集団の形成が深化する時期であるため、①子どもの自己形成と集団づくりがどのように行われていくのか、②また、親の自身の子どもや子ども集団へのとらえ方を保育園側がどのように育んでいくのか、また育まれていくのか、③担任保育士や保育園の現状認識や保育方針はいかなるものか、以上を明らかにすること。(2)運動会や「ちょうちんまつり」等の行事における子ども個人、及び集団的な発達課題を明らかにするために、保育園における一定期間の参与観察を行うこと、(3)保育士と親の懇談会やインフォーマルな集まりに参加し、その前後の変化を親リーダーから聞き取り、対立要因、及び解決プロセスについて明らかにすること。(4)親がとりくむ行事における親集団の変容過程を明らかにするための観察指標を精緻化することである。このうち、特に(1)と(2)は、研究協力園自身の実践的課題とも重なるので、いっそうの研究連携をはかり、本研究課題を推進していく。
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