研究課題/領域番号 |
19K02449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
白取 道博 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (00226325)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 満蒙開拓青少年義勇軍 / 少年保護 / 矯正教育 / 青少年義勇軍 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国東北部を入植地として日本帝国政府が実施したいわゆる満州移民の一形態である「満蒙開拓青少年義勇軍」に関する歴史的研究である。青少年義勇軍に応募した要保護少年の存在に着目し、その募集・送出過程に関与した諸機関・諸団体の論理と送出の実態とを明らかにすることが課題である。この課題の追究を通じて、青少年義勇軍の募集・送出が遂行された1937~1945年の日本社会に遍在した青少年観に関する記述を豊富化する知見を獲得しようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、「満蒙開拓青少年義勇軍」に応募した少年保護処分対象者の存在に焦点を合わせ、その募集・送出過程に関与した諸機関・諸団体の論理と送出の実態とを明らかにすることを目的とした。得られた知見は以下の二点である。 第一に、矯正院・少年教護施設において出院後の進路として提示された青少年義勇軍への応募は、陸海軍への現役志願と並び、当該期の少年保護処分対象者が更生した姿を自ら示してみせる手立ての一つであった。 第二に、応募勧奨活動の政策上の推移は、少年保護関係機関にとって国家の秩序の埒外に突出した者に対する矯正教育の達成の端的な指標は当面する国家目的への挺身であったことを証するものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
矯正教育に関する歴史的研究において青少年義勇軍の送出に関する論及は貧困である。矯正院・少年教護施設在籍者に対して青少年義勇軍への応募が慫慂された事実に関する指摘は見受けられるものの、総体を知ることはできない。重要な史料への言及があるものの、青少年義勇軍政策の展開過程に対する顧慮がなく、歴史的意味の誤認も見受けられる。関連行政の歴史的推移を叙述した矯正協会『少年矯正の近代的展開』(1984年)は重要な史料の存在を伝えてくれるものの、政策の展開過程の歴史的含意に関する論及に欠けるところがある。本研究はこうした研究状況に基礎的な知見を提供した。
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