研究課題/領域番号 |
19K02450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
渋江 かさね 静岡大学, 教育学部, 准教授 (10377707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 社会的不利益 / 社会教育関係職員 / 成人 / 長期にわたる社会教育実践 / 社会的包摂 / 社会教育実践 / 誰一人として取り残さない / 学びあい / 学びを通して社会とつながる / 成人教育者 / 成人学習者を理解するためのモデル / 他分野の実践への適用 / 社会教育事業 / 対象としての成人 / 成人教育学 / 社会教育 / アンドラゴジー / ノールズ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「社会的包摂」に寄与する社会教育の発展のための成人教育学の構築に向けて、M.ノールズが理論として体系化し、日本の生涯学習のテキストでも紹介されることが多いアンドラゴジー(成人の学習を援助する技術と科学)に関し、その可能性と限界を解明することである。具体的には以下の3つに取り組むことを通して明らかにしていく。①成人を対象とした日本の社会教育実践に関する先行研究を分析し、実践の原理を析出する。②ノールズのアンドラゴジーに関し、国内外先行研究に見る理論としての可能性と限界を明らかにする。③国内文献に掲載された「社会的包摂」に寄与した社会教育実践事例に見られる成人教育の原理を析出する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会的包摂に寄与する社会教育の発展を志向していく上で必要となる成人教育学の構築に向け、アンドラゴジーのどこに可能性があり、どこに限界があるかを明らかにすることである。2022年度は社会的包摂に寄与する成人を対象とした社会教育実践事例に関して、公開された刊行物に見られるものの収集を進めつつ、収集した事例に関してさらに精査していくための視点について検討した。 前年度の研究を通して、日本の生涯学習・社会教育政策において、社会教育の在り方や役割が社会的包摂への「寄与」や「実現」との関連で言及されはじめたのは、2017年であることを確認した。しかしそれ以前にも、社会教育関係職員によって、社会的に不利益を被っている人々を想定した学習機会や、そうした状況の背景にある社会の生じている社会状況にかかわる学習機会が設けられ、実践が行われてきていた。2022年度はこうした事例の収集を行い、それらを購読・検討した。その結果、雑誌記事に表現されている内容に関して、さらに情報を得る必要があるとわかったため、研究計画では「協力者が得られれば」実施するとしていた聞き取り調査を実施する必要があるとわかった。そこで、聞き取り調査を実施する上での留意点について、元社会教育関係職員に知見を提供してもらうことを行った。その結果、聞き取りに協力してもらう社会教育関係職員についての具体的な条件や聞き取りで尋ねた方がよい点について、示唆を得ることができた。 以上の示唆を基に、次年度は聞き取りをさせてもらう社会教育関係職員を検討した上で、聞き取りを実施し社会的包摂に寄与する社会教育の発展を志向していく上で必要となる成人教育学を構想する上での要素を析出する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画では「『社会的包摂』に寄与する成人を対象とした社会教育実践事例について、実践を担当した職員の中に聞き取り調査に協力してくれる人がいた場合」において、聞き取りを実施するとしていた。しかし、収集した社会教育実践事例を読み進める中で、研究の目的を達成するためには聞き取りが不可欠であることが明らかになり、聞き取りに向けての準備を行うことになったため。
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今後の研究の推進方策 |
雑誌記事から収集した社会教育実践事例に関し、事例の書き手である社会教育関係職員への聞き取りが不可欠であることが明らかになったため、対面またはオンライン会議システムを用いてこれを進めていく。
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