研究課題/領域番号 |
19K02452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
大関 達也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80379867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 哲学的解釈学 / 公共圏 / 対話 / 教養 / ストゥディウム・ゲネラーレ / 教養教育 / ガダマー / 解釈学 |
研究開始時の研究の概要 |
文化的背景の異なる他者と共生する社会を築くために市民的教養を形成することはいかにして可能か。本研究では様々な専門分野で学習者の問いとなるようなテクストや事物を選択・提示し、文化的・社会的実践に必要となる基礎的なリテラシーを学習者に培い、実践知を養っていくような教養教育を構想する。そのために、第二次世界大戦後のドイツの大学が置かれた社会的・政治的状況からガダマー(Gadamer, H.-G.)の思想を捉え直し、解釈学的研究を多元的な社会における対話として発展させることを試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、ガダマーの哲学的解釈学と教養論の観点から、公共圏を形成するための教養教育の可能性が提示される。ガダマーの解釈学的構想は、社会の多元性の承認を他者の真理要求の承認と結び付けている点に特徴がある。解釈学的研究によって形成される公共圏は、異質な他者に対する開放性と共通性を含意した空間である。それゆえ、教養教育は、対話しつつ、他者の観点から理解することを学ぶ過程として構想される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1.ガダマーの未刊の講演原稿や書簡等に依拠して、解釈学的研究の新たな展開の可能性を提示する点。これにより、日本ではもちろんのこと、海外でも希少価値を持つ教育哲学研究が可能になる。2.社会の多元性、文化の伝承と創造の過程を視野に入れたうえで、多文化社会にふさわしい教養教育の可能性を提示する点。これにより、教育学研究としての学術的貢献が可能になる。3.ストゥディウム・ゲネラーレの実態を分析することで、教育空間としての市民的公共圏が成立する歴史的・社会的条件を解明する点。これにより、専門諸科学の間の対話、大学と社会の間の対話という観点から、教養教育の制度的・実践的展開を促す議論が可能になる。
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