研究課題
基盤研究(C)
本研究では、インクルーシブ教育の先駆的取り組みの一つであるイエナ・プランに着目し、その源流となるイエナ大学附属学校の資料及び現代のイエナ・プラン実施校におけるインクルーシブ教育システムに関する資料を収集・分析し、イエナ・プランにおける児童生徒の「混合」によるインクルーシブ教育システムの分類・整理を行う。それによって日本のインクルーシブ教育システムの充実へ向けて効果的に応用するための研究基盤を確立する。
本研究では、インクルーシブ教育の源流と評されるイエナ・プランについて、草創期にあたる1924年のイエナ大学附属学校における実践の記録と、1927年に出されたイエナ・プランを表題とする主著『自由で一般的な国民学校のイエナ・プラン』の思想を中心に研究を行った。現在、オランダを中心に展開されているイエナ・プランの源流・原点となるイエナ大学附属学校でのインクルージョンの生成と、それを支えるペーター・ペーターゼンの思想をひも解くことが、本研究の眼目であった。当初3年間(平成30年度~令和3年)の予定で実施してきた研究であるが、コロナ禍に巻き込まれ、現地での調査について2年間の期間延長(令和4~5年度)を余儀なくされた。しかし、インクルーシブ教育の基本思想とインクルーシブ教育の源流と評されるイエナ・プラン草創期の思想・実践に関する研究を遂行することができた。研究の成果は「イエナ・プランにおける『混合』を用いたインクルーシブ教育に関する研究」(平成30年度~平成5年度)研究成果報告書(全112頁)にまとめた。報告書の内容は次の5項目からなる。すなわち、①イエナ・プラン思想の概要(主著『自由で一般的な国民学校のイエナ・プラン』を軸に、イエナ・プラン思想の概要をまとめた)、②インクルーシブ教育の基盤となる思想(「サラマンカ声明」に基づくインクルージョンの特質とインクルーシブ教育の類型をまとめた)、③鍵概念としての「混合」(イエナ・プランにおける「混合」と「サラマンカ声明」に基づくインクルージョンの比較を行った)、④インクルーシブ教育実践の萌芽(イエナ大学附属学校における草創期の実践に見られるインクルージョンの特質をまとめた)、⑤今後の教員養成へ向けて(現代日本の教職界の課題を踏まえ、インクルーシブ教育の源流とされるイエナ・プランによる「内的学校改革」が示唆するものを提示した)である。
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