研究課題/領域番号 |
19K02464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
古庵 晶子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 准教授 (90639337)
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研究分担者 |
竹川 佳成 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60467678)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ピアノ演奏 / 演奏ミス / 高齢者 / 視線計測 / 楽譜 / ピアノ学習 / 大学生 / つまずき / 若年成人 / 視線動画 / ピアノ演奏ミス / 楽譜表記と視線 / 視線 / 動画 / 視線移動 / 運指 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢のピアノ学習初心者は、ほぼ全員が演奏途中で何度も止まってしまう。その原因のうち、「楽譜-鍵盤間の視線」の無駄な動きと「指づかい」に焦点を当て、指の動きの映像の他、アイカメラで視線移動を撮影することにより、楽譜上の止まりやすい箇所を抽出し、「つまずきパターン」を見出す。それによって、メロディーに対してどのような伴奏の音構成にすれば止まりにくくなるのか、高齢者の特質に合った編曲方法を編み出せるはずである。科学的根拠のある「つまずきパターン」に基づいた、つまずきにくい楽譜を作成し、使用することでつまずきを改善し、高齢者自身の満足度と達成感を高めることでQOL の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
高齢ピアノ初心者6名のピアノ演奏を3台のビデオカメラとアイトラッカーで楽譜上の視線の動きを撮影した。採取できたデータは、動画と、楽譜を座標に見立てて視線の位置を数値で表した数値データの2種である。演奏を採譜し、ほぼすべてのミスの箇所について、動画上での視線の動きを細かく分析した結果、9種のミスの特徴が見られた。比較対象として若年成人らにも同じ実験を行った。9種のミスのなかには、若年成人には観測されない高齢者特有のミスがあった一方、若年成人にも見られるミスがあったため、精査する必要がある。そのため客観的なデータに基づく分析が必要である。これらの分析は次のステージへ持ち越すこととなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者の視線移動の研究としてピアノ演奏に関する先行研究を見つけることが出来なかったため、自動車の運転や読書に関する視線計測研究と比較した。条件がそれぞれ違うことから、全く同じ結果が出たとは言い難いが、それぞれ非常に似た特徴もあった。少なくとも視線の動きは加齢とともに低下する傾向であることだけは確かであった。加齢は不可逆であり、運転や読書と共に、ピアノ演奏を若年層と同等にレベルアップすることは難しい事が推察される。ピアノ習得のみでは社会的意義を見出しにくいが、高齢者の加齢による能力の低下をピアノ習得でも少しは見出せたことは、高齢者学習研究の一助となったと考える。
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