研究課題/領域番号 |
19K02467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 国立教育政策研究所 (2019-2020, 2023) 鶴岡工業高等専門学校 (2021-2022) |
研究代表者 |
森 政之 国立教育政策研究所, 文教施設研究センター, フェロー (70362324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中学校普通教室 / 無作為抽出調査 / 学習環境評価 / マルチレベル分析 / 国際比較 / 普通教室 / 教室の広さ / 学習形態の多様化 / 物的学習環境 |
研究開始時の研究の概要 |
中学校において生徒の体格向上等のため普通教室が相対的に狭くなってきており、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの多様な学習形態での授業を円滑に実施できるかどうかが懸念されるが、普通教室の対応性については十分に分かっていない。 本研究の目的は、どの位の広さであれば授業を円滑に実施できるのかを解明することである。本研究では、学習形態ごとに物的学習環境(広さ、収納状況など)と教員の主観的評価(満足度など)との関係性を分析する。そして、分析結果を統合して学習形態の多様化に対する普通教室の対応性について総合的に考察し、広さについて実証的に検証する。
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研究実績の概要 |
今年度は、主として「(1)マルチレベル分析の結果と決定木分析の結果との比較による考察」「(2)国際比較も含めた総合的・実証的検証」に取り組んだ。(1)としては、2021年度に実施した調査票調査から得られたマルチレベルのデータ(サンプルサイズは、学校レベルで約80,教員レベルで約300)を対象として行った、中学校普通教室に関する教員の主観的な評価を従属変数としたマルチレベル分析の結果について、得られた結果と、複数のプログラミング言語による様々な決定木分析の結果との比較を行い、マルチレベル分析の結果について、モデルの適合性を様々な観点から考察できた。また、分析結果の表示手法について、最近学術誌に掲載された関係分野の論文を対象として、適した表示方法についての具体的な検討を行った。 次に、(2)としては、2023年9月にアイルランドで開催されたシンポジウムに参加した際に、アイルランドにおける中学校普通教室に関する政策や規定についての情報を得るとともに、現地で複数の中高一貫校を視察し、アイルランドにおける普通教室の使われ方について観察を行うことができた。これらの情報を含め、国際比較のための情報収集を前進させることができた。また、総合的・実証的検証のための分析手法の検討も着実に進めることができた。 引き続き、国内外の中学校施設の整備状況や研究動向、新たな分析手法についての情報収集を行いつつ、更なる国際比較も含めた総合的・実証的検証を含め、研究実施計画に基づき収集したデータの分析、結果の考察を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた研究内容は、「(1)マルチレベル分析の結果と決定木分析の結果との比較による考察」「(2)国際比較も含めた総合的・実証的検証」であった。(1)については、概ね予定通りに進めることができ、マルチレベル分析の結果について、モデルの適合性を様々な観点から考察できた。 (2)については、総合的・実証的検証の一環として、アイルランドにおける中学校普通教室に関する政策や規定についての情報や、普通教室の使われ方について観察を行うことができたものの、調査対象としていた英国、豪州及び仏国への訪問調査の準備の遅れがあったため、予定していた海外訪問調査を実施することができなかった。 以上、(1)及び(2)については、おおむね計画通りに研究が進んでいるが、全体としては、研究の進捗はやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当初の研究計画に記載した進め方について、研究期間の延長(延長後の終了時期は2025年3月末)を踏まえ、必要な調整を行う。その調整後の計画に沿って、「(1)国際比較も含めた総合的・実証的検証」を進める。具体的には、引き続き、国内外の中学校施設の整備状況や研究動向、新たな分析手法についての情報収集を行いつつ、また、海外専門家の研究報告の検討や訪問調査を実施しながら、新たに得られた知見を基に、これまでの研究成果について再検討も行い、当初の計画通りに、国際比較も含めた総合的・実証的検証を進める。
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