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〈戦後教育学〉はどのように戦争責任と植民地支配責任を考えてきたのか

研究課題

研究課題/領域番号 19K02482
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関八戸工業大学

研究代表者

松浦 勉  八戸工業大学, 基礎教育研究センター, 教授 (30382584)

研究分担者 佐藤 広美  東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (20205959)
一盛 真  大東文化大学, 文学部, 教授 (90324996)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード戦争責任 / 植民地支配責任 / 戦後責任 / アジア認識 / 戦争体験の思想化 / 水俣事件 / 優生学 / マイノリティ / 多様性 / 植民地主義 / 人種主義 / 性的マイノリティー / 教育(学)の戦争責任 / 戦後教育学 / 優生思想 / 災禍に向きあう教育 / 他者認識 / 植民地教育 / 歴史修正主義 / ナショナリズム / 水俣病 / 沖縄戦 / 差別 / 戦争犯罪
研究開始時の研究の概要

分担研究者の佐藤広美は、最新の成果のなかで以下のように戦後教育学を批判的に総括している。「アジア教育侵略に加担して差別と抑圧の教育学に行きついた、あるいはそれを許した教育学を反省できなくて、どうして平和と人間の尊厳を打ち立てる教育学が可能となるのであろうか。」と。
これは、直接的には戦後教育学の限界をのり越えたと考えられている現代日本の教育学に対する批判として提起されたものであるが、戦後教育学自体が戦争責任と植民地支配責任に真正面むきあわないまま、戦後の新たなスタートをあゆむことになった。この共同研究では、代表的な教育学者の教育学理論の形成とそのプロセスを対象にして、それを実証する。

研究成果の概要

この3年間の共同研究は、21世紀の現代にいたるいわゆる戦後教育学の成立と展開を、従来の方法とは明確に異なる視座と視角から追究し、その意義と限界、未解明・未着手の課題などを追究するものとなった。しかし、2020年はじめに「コロナ禍」がひろがったこと、その他の事情も加わり、予定していた諸課題を十分に究明することが出来なかった。しかし、限界を持ちながらも、「戦後教育学」の担い手たちが「戦争体験の思想化」を梃として、戦争のための教育学と決別し、新たな教育学研究と運動をとおして今日につながる成果を紡ぎ出したこと、そして、その重要な一環となる植民地教育(史)研究の方法と課題などにも論究した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

この共同研究をとおして、いわゆる戦後教育学の歴史的な性格と特徴について、その限界も含めて、解明することが出来た。方法としての「戦争体験の思想化」の視座が有効であった。しかし、それは決して自己完結したわけではない。教育(学)の戦争責任問題は依然として未決である。また、植民地支配責任については、もっと深刻な状況にあることが確認された。
こうした研究成果は、とくに二人の分担研究者の諸成果に負うところが大きい。とくに佐藤広美は、この間に『植民地と教育学』と『戦後教育学と戦争体験』という二つの学術書を発表している。研究代表者である私(松浦)は、佐藤の両著作について、書評と書評論文を書く機会に恵まれた。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (29件)

すべて 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (23件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 勝田守一と「教育的価値」論2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      教育(教育科学研究会誌)

      巻: 913 ページ: 55-61

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 書評・佐藤広美著『戦後教育学と戦争体験』2022

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      植民地教育史研究年報(日本植民地教育史研究会誌)

      巻: 24 ページ: 174-183

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「多様性」に潜む権力構造―マジョリティを揺さぶる教育実践へ―2021

    • 著者名/発表者名
      一盛 真
    • 雑誌名

      教育

      巻: 908 ページ: 59-65

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 「コロナ禍」のなかの日本の大学(教育と研究)の行方2021

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      教育情報あおもり(青森国民教育研究所誌)

      巻: 118 ページ: 9-12

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 〈人新世〉という新たな地質年代の行方2021

    • 著者名/発表者名
      松浦勉
    • 雑誌名

      Eレター(八戸工業大学工学部電気電子工学科)

      巻: 4 ページ: 1-2

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 教員免許更新制の「廃止」問題の行方2021

    • 著者名/発表者名
      松浦勉
    • 雑誌名

      Eレター

      巻: 15 ページ: 1-2

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 災禍と向き合う教育 (上)2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 901 ページ: 80-87

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 災禍と向き合う教育 (下)2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 904 ページ: 82-89

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 巻頭言2021

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      八戸工業大学教職教室年報2019

      巻: 1 ページ: 1-5

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「三つ編み」の学び―学問を自己と社会に結ぶ―2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 890 ページ: 59-66

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コロナ禍に向きあう教育2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 896 ページ: 53-59

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コロナ禍の中の教育を考える2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      歴史地理教育(増刊号)

      巻: 917 ページ: 16-21

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 優生思想をこえる「教育の思想」2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 899 ページ: 6-12

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 生きるに値しない命―優生学と日本社会―2020

    • 著者名/発表者名
      一盛 真
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 899 ページ: 43-50

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「コロナ後」の〈ナショナリズム〉とその負の作用に向きあう2020

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 895 ページ: 108-109

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 科学技術基本法「改正」の行へ2020

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      八戸工業大学電気電子工学科E-letter

      巻: 2-3 ページ: 1-3

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 科学者コミュニティーと政治2020

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      八戸工業大学電気電子工学科E-letter

      巻: 2-14 ページ: 1-2

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 新「学習指導要領」下の道徳教育と生徒指導2020

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      八戸工業大学紀要(リポジトリ)

      巻: 39 ページ: 125-141

    • NAID

      120006812558

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本植民地教育政策とモラルの相克2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 雑誌名

      東北教育学会研究紀要

      巻: 23 ページ: 50-56

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「三つ編み」の学び―学問を自己と社会に結ぶ2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 890 ページ: 59-66

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 植民地教育を肯定する思想に迫る2020

    • 著者名/発表者名
      一盛 真
    • 雑誌名

      日本植民地教育史研究会誌『植民地教育史年報』

      巻: 21 ページ: 107-112

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 佐藤広美著『植民地支配と教育学』2019

    • 著者名/発表者名
      松浦 勉
    • 雑誌名

      教育科学研究会誌『教育』

      巻: 881 ページ: 102-103

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 教科書の中の「韓国併合」2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 雑誌名

      前衛

      巻: 980 ページ: 186-196

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本植民地教育政策とモラルの相克2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 学会等名
      東北教育学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 戦後教育学と戦争体験2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      大月書店
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] 日韓の歴史問題をどう読み解くか2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美(共著)
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      新日本出版社
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 日本の植民地教育を問う2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 広美(共著)
    • 総ページ数
      374
    • 出版者
      晧星社
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 日本の植民地教育を問う2020

    • 著者名/発表者名
      一盛 真
    • 総ページ数
      374
    • 出版者
      晧星社
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 災禍に向きあう教育2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤広美
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      新日本出版社
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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