研究課題/領域番号 |
19K02493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
樋浦 郷子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30631882)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 教育史 / 朝鮮史 / 台湾史 / 植民地期朝鮮 / 唱歌 / 学校儀礼 / 身体 / スポーツ史 / 日本史 / 学校 / 植民地 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、帝国日本の学校儀式や学校で要請された拝礼 低頭などの儀礼の歴史に「声」「音」という問題意識から迫るものである。声とは、儀式時の校歌斉唱や沈黙、スポーツ大会の 宣誓等、音とは、ラジオ体操の音や号令、笛やラッパ、時鐘を想定する。実際には自分の統制のもとにあるはずの身体および精神に、他者の介入を容易にさせる媒介物 として「声」「音」は重要な役割を担う。とくに植民地の学校教育のなかにあらわれ た具体的なそれらの様相を観察し、帝国日本において就学することがどのような意味を付与するものであったのか、「帝国日本の国民」はどのように創出されようとしかという問題に「声」「音」を手掛かりに接近する。
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研究成果の概要 |
本研究では、まず植民地・日本内地を問わず学校日誌や沿革誌など、学校保存書類にあらわれる学校儀式や行事の実態に迫った。『学校沿革誌』によって、近代学校の有した普遍的特質と、地域事情に根差した特有さとを、並行して把握することを目指した。例えば「運動会」という日本に特有の行事の歴史を紐解き、男女に期待されていることに顕著な差がみられる点や,1945年以降の台湾や朝鮮半島での学校文書書記文化の継続性、琉球以来の会所による漢籍教育と、学校教育との間で起こる相克の一端などを明らかにした。後半では次の課題への足掛かりとして、植民地や日本内地の「辺境」における唱歌と万歳に着目して調査を開始した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として、本研究のテーマである「音・声」を研究する上でも、あらためて学校や教育行政機関や地域文書館、図書館にばらばらに所蔵されている学校文書(周年記念誌を含む)の重要さについて、多少とも論及することができた点を挙げたい。この点と関連する社会的意義として、市町村合併によって、数多くの文書類が廃棄されたり、市町村史の編纂予算が削減対象となる事態が進んでいるなかで、「歴史総合」の導入や、脱植民地化など世界的規模で事物を検討する必要性の高まりもあいまって、国内だけでなく各地の各機関で文書保存を行うことの意義に、論考や発表を通じて迫ることができた。
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