研究課題/領域番号 |
19K02494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白水 浩信 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (90322198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | educatio / disciplina / 翻訳語の対応 / ラテン語 / ギリシア語 / サン・ヴィクトルのフーゴー / プルタルコス / 教育言説 / ジャン・コラン / プルタルコス『子どもの教育について』 / 翻訳語彙の対応関係 / フランス語 / ディスキプリナ (disciplina) / ラテン語語彙史 / キリスト教的規律 / 習慣成型 / 道徳性の教導 / ヴァンサン・ド・ボーヴェ / 『貴族の子らの教養』 / 『修練者の教導』 / 教育(education) / 語彙の系譜学 / 揺籃期 / ジャン・ド・ヴィニエ / ジャン・ドーダン / 偽セネカ / education / 翻訳 / 語彙基板 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は西欧諸語において〈教育(education)〉という語彙を派生するにいたるラテン語〈educatio〉の用例に着目し、15世紀にギリシア語からラテン語に翻訳・翻案された教育 論文献を対象に、教育言説を構成した語彙基板を実証的に解明することを目的とする。教育関連語彙がギリシア語からいかなるラテン語語彙に翻訳され、西欧諸語へと伝播していったのかという観点から用例を網羅的に抽出し、ラテン語〈educatio〉を軸に教育関連語彙の対応関係をデータベース化し、17世紀以降顕著になる〈教育(education)〉による教育言説の排他的独占という歴史的事態の生成メカニズムの解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は15~16世紀における羅語educatioの用例に関して、諸言語間の訳語対応に注目し、近代以降のeducation用例との不連続性を明らかにするものである。15世紀に羅語作品からの翻訳として仏語educationの初出を指摘した点は本研究成果である。中世の教育言説はeducatioではなくdisciplinaを軸に編成され、フーゴー『修錬者の教導』を分析しえた点も本研究の成果である。羅語ではeducatioとdisciplinaの二つの語彙は相容れず、近代揺籃期、両語の混淆が生じ、次第にeducatioはdisciplinaとして語られる語彙基板の流動化が成立しつつあった点を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希語―羅語―西欧諸語間の訳語対応に注目する本研究によって、従来、希語パイデイアが羅語educatioとは無縁であり、専らdisciplinaによって羅語訳され、その趨勢は中世まで変わらなかった点が確認された点は学術的意義を有する。そのことはまた、中世にeducationの観念がなかったとするアリエスの指摘とその反論に対し、語彙史研究という新たな角度から再考を促す意義をも有する。そしてeducationを学校における知育・徳育と結びつける現代の固定観念が、15~16世紀の翻訳語彙の流動化に由来するという研究成果は、現代社会の教育観を歴史的に相対化し、あらたな視座を啓く意義を有するものである。
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