研究課題/領域番号 |
19K02495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八鍬 友広 東北大学, 教育学研究科, 教授 (80212273)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | リテラシー / 識字 / 往来物 / 目安往来物 / 寺子屋 / 正統的周辺参加 / 読み書き / 手習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近世日本における読み書き能力の育成が、寺子屋などのような、教育のための独自の過程の発展に支えられつつも、正統的周辺参加過程へと接続して完結するという性質を有していたことについてあきらかにするものである。 このことをあきらかにするためには、読み書き教育の具体的な過程を詳細に知ることができる史料を入手し分析することが不可欠となる。申請者は、福井県文書館の所蔵する資料など、すでにいくつかの該当する資料を発見しており、研究期間中において、これらを調査・収集し、分析を加える予定である。
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研究実績の概要 |
コロナ禍の影響もあり、資料調査は十分に進展させられず、京都市における識字関係資料の調査及び資料収集にとどまった。 目安往来物の収集を引き続きおこない、50点程度の目安往来物を購入し、東北大学の蔵書に加えることができた。 前年度に資料調査をおこなった、福島県における近世前期の争論および、その訴状が往来物となっている事例についての論文が、前年度末となるが、2022年3月に著書の一章として刊行されるに至った。松園潤一朗編、法文化(歴史・比較・情報)叢書⑲ 法の手引書/マニュアルの法文化であり、このうちの第2章「近世日本における訴状を教材とする読み書き学習-「玉野目安状」を事例としてー」55-84頁を執筆した。昨年度のものとなるが、年度末でもあり、昨年度の研究実績として反映させられていないので、ここに記載しておく。 近世日本のリテラシーを、日本のリテラシーの歴史全体のなかに位置づける研究を進展させた。2022年度においては、研究内容を著書としてとりまとめ、これを刊行するための準備を進めた。執筆は、ほぼ順調に推移し、2023年度には、著書として刊行できるところまで準備が進展した。 あらたな調査対象として、埼玉県における資料が見出された。同資料は、近世における識字力形成と社会的実践の関係にかかわる資料であり、本研究課題からさらに発展した研究が期待される素材となっている。自治体史の刊行をはじめ、すでに一定の先行研究があり、文書館等には、関係する資料が一定程度保存されているが、今年度においては、十分な資料調査には至らなかった。この資料の調査と研究については、次年度において実施することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近世日本のリテラシーを、日本のリテラシーの歴史全体のなかに位置づけて、その社会的特色を明らかにする研究が、単著の著書として刊行される予定となるにいたった。 2022年度においては、新たな資料調査よりも、上述の著書の執筆に注力することとなった。この結果、著書の執筆が急速に進展したものである。 著書の執筆の過程で、あらたな研究対象も見出されるにいたったが、これについての調査を実施するにはいたらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
著書の執筆の過程で、新たな調査・研究対象があきらかになりつつあるので、今後においては、これらの調査を実施したい。 調査対象は、埼玉県における近世文書であり、同県内の文書館等の調査を実施する予定である。 これらの調査対象は、リテラシーの獲得と、社会的実践との関係を追究する上で重要なものであり、本研究をさらに発展させる可能性を有するものである。 次年度は、本研究の最終年度となるので、以上の調査・研究を確実におこない、新たな研究課題へと接続できるよう、努めたい。
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