研究課題/領域番号 |
19K02496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
上田 孝典 筑波大学, 人間系, 准教授 (30453004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 素質教育 / 校本課程 / 校外教育 / 社区教育 / 家庭教育 / 愛国主義教育 / 学校外教育 / 中国 / ガバナンス / 学習型都市 / コミュニティ・ガバナンス / 社会力量 / 学校と地域の連携 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国における「学校と地域の連携」の現状を明らかにし、多彩な教育活動が展開されている実態を明らかにすることである。中国では、学歴偏重の学校教育を見直し、知・徳・体の全面的な発達を志向した素質教育が推進されている。とくに都市部においては、学校内外において充実した教育プログラムが提供されている。そこで上海市を事例に、学校独自の教科外カリキュラムを実施している「校本課程」、放課後の学校外活動を展開している「校外教育」、民間非営利団体が子どもたちに教育サービスを提供する「政府購買服務」制度に着目して、中国の学校と地域が連携しながら、いかなる教育活動を展開しているのかを考察する。
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研究成果の概要 |
中国の小中学校では、各学校の独自カリキュラム(校本課程)において、「素質教育」の展開がみられた。例えば2019年に訪問した広州市のある小学校では、全員が低学年で囲碁を通じて思考力を養い、高学年でアーチェリーを通じて集中力を養う授業が行われていた。また別の学校では、校外教育として伝統楽器、プログラミングなどの課外活動が希望者に提供され、別の少年宮においては絵画や書道、ピアノ、バイオリンなどの教室が開かれていた。これらは、地域に住む技術を持った高齢者や社区学校の講師などが指導にあたり、教科指導以外の分野における教育の広がりと地域の指導者の活躍という連携の姿が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、「素質教育」の展開は教科外の学習を促進し、その担い手として人的・物的なリソースとして地域との連携が図られ、同時に既存の少年宮や社区学校でも子どもへの校外教育の受け皿を担っていたことが明らかになった。しかし、2020年に出されたいわゆる「双減」意見が、コロナ後の社会においてどんな影響を及ぼすのかについては、今後も注視していく必要がある。オンラインによる聞き取りでは、習い事による成績加点が一部廃止されたことや民間の教育産業が閉鎖されたことを受け、校外教育への関心も低下する一方で、子どもにとっては家庭学習の長時間化と保護者の監視強化に拍車がかかっているとの懸念が示されている。
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