研究課題/領域番号 |
19K02498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山名 淳 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (80240050)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 教育 / 集合的記憶 / 文化的記憶 / 想起文化 / リメディエーション / ビルドゥング / メモリー・スタディーズ / 記憶の教育学 / 表象(リプリゼンテーション) / 記憶の教育学(メモリー・ペダゴジー) / 想起 / メモリー・ペダゴジー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、記憶と想起に関して最も活発に議論を展開している文化科学におけるメモリー・スタディーズの研究蓄積に注目しつつ、広島の原爆投下に関する事例を中心として、被爆証言者不在の時代を目前とした現代において新たな「リメディエーション」(=様々な媒体を通じた記憶伝承の変容)が形成されている現象を、その歴史的文脈も視野に入れつつ体系的に考察を試みるものである。具体的には「次世代と描く原爆の絵プロジェクト」の演劇化および「被爆体験継承プログラム」を主たる考察対象として、活動の動向とそれにかかわる人びとの意識を調査するとともに、広島の「リメディエーション」の歴史におけるこうした活動の意義を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、集合的な記憶と想起に関する学際的研究(メモリー・スタディーズ)の成果蓄積に注目しつつ、教育学と架橋の試みによって「記憶の教育学」を構築しようとする試みの一環である。具体的には、広島の原爆投下に関する記憶継承の問題に焦点を当てて理論的考察を行い、それをもとにして「次世代と描く原爆の絵プロジェクト」およびその演劇化の解釈を試みた。そこで浮上したのは、現代における新たな「リメディエーション」(=様々な媒体を通じた記憶伝承の変容)の現象の解釈を行った。証言者不在の時代を目前にした今日において、教育を通して未来の人びとに向けた文化的記憶を共同構築を行う可能性およびその際の課題について検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集合的記憶論は多様であるために全体像を把握することが難しい。そうしたなかで、本研究はこの分野に関するドイツの包括的な理論書の邦訳作業を通して、メモリー・スタディーズの基礎を確認することから始めた。本研究の学術的意義は、そのことを通してより確実に記憶研究のうちに教育学を位置づけたことにある。また、そのような研究活動を通して、とくに日独を中心した国際的な共同活動のネットワークを築くことができた。さらに、本研究はとくにカタストロフィの集合的記憶と向き合う教育現場の活動(防災教育、平和教育、環境教育等)を理解し、また改善するための示唆を含んいる。その点に本研究の社会的意義を見出すことができる。
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