研究課題/領域番号 |
19K02518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
山本 和行 天理大学, 国際学部, 教授 (00584799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 教員 / 植民地 / 台湾 / 教育制度 / 近代化 / 学校 / 近代教育 / 近代 / 植民地教員 / 地域 / キャリア / 初等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本による植民地統治下の台湾において、近代学校と台湾の人々とをつなぐ存在としての学校教員に注目し、学校教員が植民地統治下の台湾社会においてどのような位置にあったのかを明らかにする。 具体的な研究課題として、①教員のキャリアコースの形成、②教員の社会的立場の形成、③地域の諸機関や地域の人々と教員とのかかわり、の3点について検討・分析をおこなう。 以上の検討・分析を通じて、植民地統治下を生きた人々の多様な経験を総合的・包括的に捉え、植民地統治の経験をめぐる意識の分断状況を克服し、共通した基盤に立った相互理解を実現するための枠組みを形成することを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、日本の植民地統治下の台湾における学校教育の配置をめぐる制度的な実態に関する研究成果、および教員の職能団体としての性質に関する研究成果を基に、台湾において施行された教員制度の全体的な把握、およびそうした制度のもとで実際に台湾各地に配属され、教育に当たっていた教員たちの経歴や実際の教育活動に関する研究を進めた。 具体的には、まず、台湾総督府の公文書である「公文類纂」所収の教員制度にかかわる決裁文書を広く調査し、制度の形成過程および各法令の変遷についてまとめ、教員を取り巻く近代的制度がどのように構築されていったのかを明らかにした。 また、1895年の日本による台湾領有直後に台湾へ渡った内地人教員の経歴に関する研究を、上記と同じく、台湾総督府の公文書である「公文類纂」に所収されている人事関係の書類に基づき調査をおこなった。 以上の研究成果は、2023年3月に発行された『中国文化研究』第39号に論文として掲載されるとともに、現在、関連の研究成果をまとめる準備を進めている。 ただし、当該年度前半まで継続して実施された新型コロナウイルスの感染拡大にともなう海外渡航制限や日本国内での移動制限・各種公共施設の利用制限によって、研究を進めるための資料調査は、当初の予定より大幅に遅れた。そのため、インターネット上に公開されている史資料や先行研究、およびこれまでに収集・整理した史資料に基づき研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記、「研究実績の概要」においても言及したとおり、当該年度前半までの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大にともなう国内外の渡航制限・行動制限の継続のもと、研究計画を立てた当初に予定していた研究調査および研究成果の公表の機会が大幅に失われ、調査および成果の公表に遅れが生じている。そのため、研究活動の延長を申請するに至った。 ただし、当該年度後半には徐々に各種の行動制限も解除され、現地での資料調査などを実施できる環境が整いつつあるため、一定の研究活動はおこなうことはできるようになった。その点を勘案し、現在までの進捗状況としては「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究活動の再延長を申請したため、次年度は本研究課題の最終年度にあたる。そのため、これまでの調査に基づく研究成果の公表を予定している。 また、次年度は新型コロナウイルスの感染拡大にともなう行動制限もほぼ撤廃されているため、当初の研究計画に近い形で調査活動および研究成果の公表を進めることができるものと考えている。研究活動の遅れにともなって残されている課題は多いが、当初の研究計画に立ち戻って、調査活動をおこなうことを考えている。 ただし、今後の新型コロナウイルスの感染拡大状況およびそれにともなう行動制限の実施の如何に左右されることが予想されるため、引き続き、オンラインを活用した調査活動の実施および研究成果の公表についても並行して準備を進める。
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