研究課題/領域番号 |
19K02529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
柳林 信彦 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (30516109)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 教育委員会制度 / 地方教育行政機構 / 分権的教育改革 / 首長と教育委員会 / アメリカ教育改革 / システミック・リフォーム / 教育行政 / アメリカ教育改革政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、分権的教育改革の新たな展開期に入ったアメリカ教育改革政策からケンタッキー州の教育改革政策であるKERAを取り上げ3つの視点から分析することを通して、分権改革期における首長と教育委員会の関係構造の在り方を中心として、分権的教育改革を効果的に推進するための改革戦略を解明することを目的とする。 3つの視点は、1.教育改革政策の立案・実施における首長(部局)と教育委員会(教育長)との関係構造の解明、2.米国教育行政機構の再編と役割の再定義や効果的な学区論研究に見られる教育委員会の新たな役割の発見、3.米国システミック・リフォーム・コンセプトの改革戦略の特質である。
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研究実績の概要 |
本年度においては、高知県の教育振興基本計画の中心的な施策である学校組織マネジメント改革をとりあげ、地方における教育改革施策が、改革の実質的な担い手である学校でどのように理解され、また具体化されているのかという点に着目して考察を行うことで研究視角の精緻化を進めた。 具体的には、高知県の教育振興基本計画に示されている学校組織マネジメント改革施策が、各学校での具体的な取り組みのレベルでどのようになされているのかに関して考察を行い、その研究成果を論文としてまとめ公表した(能勢朋典、柳林信彦「高知県A町立B中学校における学校教育目標に対する教員理解の現状と目標共有方策の検討 ―学校の組織化に着目して―」『高知大学教育学部研究報告』 第83号、pp.45-54、2023年3月)。また、高知県土佐町の土佐町小中学校(土佐町に設置されいる学校は土佐町小中学校(小中一貫校)の1校のみであり、教育委員会・学校・地域の連携の在り方の解明が期待できる事例)のコミュニティスクール事業をとりあげ考察を行った。本年度は、土佐町小中学校そのものの分析の成果は報告できていないが、研究知見を活用して、日本教育制度学会第29回大会において課題別セッション「児童・生徒による学校運営への主体的参画-その促進と課題を制度・行政の面から事例的に解きほぐす-(発表者:佐々木司、坂本哲彦、静屋智、松田靖、企画・司会・まとめ:柳林信彦、2022年12月3日(オンライン実施)」を企画・実施して研究を進めた。 ケンタッキー州については、新型コロナウィルス感染拡大予防の観点から、当初予定していた2次調査を中止し、これまでの現地調査で収集した資料の整理と分析を中心として行い、ケンタッキー教育改革法(KERA)において、システミック・リフォーム改革の中における教育行政制度改革の位置づけと特徴の解明を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカケンタッキー州の教育改革法(KERA)に関する2次調査が、新型コロナウィルス感染拡大予防の観点から実施することができなかった。そのため、システミック・リフォームに関する理論的な分析枠組みを用いて収集した資料の分析を行うと共に、KERAにおける教育行政制度改革についての分析を進めている。 また、高知県を対象とし、分権改革期の地方における教育改革施策の実施部分に着目し、特に実施の具体を担う学校レベルの取り組みの特徴と課題に関する事例分析を行い、研究視角の精緻化を進めることができた。これにより、分権的教育改革施策の考察のための枠組みの修正と深化を行う事ができ、理論的枠組みが精緻化されるとともに、事例の分析成果を論文として発表するとともに、日本教育制度学会第29回大会において課題別セッションを企画し・実施し、研究知見の公開と深化を進めることができた。 以上のように、ケンタッキー州の2次調査は実施できなかったが、本研究の最終的な研究課題である「日本の教育委員会が、地域の教育課題を解決しうる組織となるための方途、また、そのために必要とされる首長と教育委員会の関係構造の在り方」に関して、高知県の具体的な改革施策を通した分析が進んだことや、前年度までに収集した資料に基づきケンタッキー州の事例分析を一定程度進めることができたことから、本研究の現在までの進捗状況は概ね順調に進展しているとの自己評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においては、これまでの研究で明らかとなった知見を活用して、分権改革における首長と教育委員会の関係の在り方と改革を効果的に遂行するための改革戦略を明らかにすることを通して、地方創生・分権改革期の地方教育行政機構の在り方の解明に当たる。 また、実施できなかったケンタッキー州の教育改革に関する事例分析(教育行政機構改革、知事の影響力、改革戦略を中心に)に関して、これまでに得られた事項を参考にしつつ、2次調査を実施する。 最終的には、それらの知見を総合し、改革の波にさらされている日本の教育委員会が、地域の教育課題を解決しうる組織となるための方途、また、そのために必要とされる首長と教育委員会の関係構造の在り方、そして、それらを含んだ、分権的教育改革の効果的な遂行のための地方教育行政機構の在り方を解明する。
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