研究課題/領域番号 |
19K02532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
石倉 瑞恵 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (30512983)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジェンダー / チェコと日本 / 児童文化 / 大衆文化 / 社会主義 / 家庭 / 母性 / 比較 / チェコ / メディア / 女性文化 / 市場経済 / 再生産 / 大学生 / 文化受容 / 内在化 / 若者文化 / 女児文化 / 比較研究 / 比較教育学 |
研究開始時の研究の概要 |
チェコと日本を事例とし、女性に内在化された保守的なジェンダー認識が再生産されるプロセスを明らかにする。価値再生産の場として「若者文化」に注目し、その中で表象される女性のジェンダー・モデルやドミナント・コース、およびそれらが再生産されるプロセスをチェコと日本の女子大学生の比較を交えて分析する。「若者文化」として対象とするのは、大学での学習や研究活動以外の活動、すなわち、文化活動、スポーツやレジャー、および雑誌や広告、映像等の狭義のメディアである。
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研究成果の概要 |
若者の選択は,実体験や身近にある実像よりも,様々な媒体を経由して共有する児童文化・大衆文化に影響を受けやすい。そこで,日本とチェコにおけるジェンダー形成期(20世紀後半)の児童文化・大衆文化,および現在の児童文化・大衆文化が示すジェンダー・メッセージに関する比較分析を行った。現役労働者と未来の労働者のケアに従事する専業主婦の浸透,人口増に寄する母親像の浸透,社会主義崩壊の国際化・自由化に乗じた欧米の旧きフェミニティの浸透等,政治・経済的ジェンダー戦略を背景として成立した児童文化・大衆文化には,現在においても家庭や母性,美の追求を女性の領域とするジェンダー・メッセージが含意されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
政治,経営,工学等の分野における女性の活躍が今日的課題となり,女性の雇用条件改善,子育て支援の充実に解決策が求められている。本研究では,問題の本質が,女性に内在化された保守的認識にあり,その価値観を伝達するのは古層としての児童文化・大衆文化にあると提起している。また,20世紀後半,日本とは正反対の画期的女性雇用施策をとったチェコと当時の日本との比較を通し,両国における児童文化・大衆文化成立プロセスの相違と現在の児童文化・大衆文化に示唆されるジェンダー・メッセージの類似性を明らかにした。女性雇用施策の可能性と限界に示唆を与える研究と考えられる。
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