研究課題/領域番号 |
19K02534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 東北文化学園大学 (2021-2023) 作新学院大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山尾 貴則 東北文化学園大学, 現代社会学部, 教授 (80343028)
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研究分担者 |
村澤 和多里 札幌学院大学, 心理学部, 教授 (80383090)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 当事者研究 / 若者自立支援 / 承認 / べてるの家 / 若者自立支援活動 / ホネット / 承認論 / 引きこもり / 潜在能力アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会的自立に関して困難を抱えている若者たちに対してどのような支援が可能かを検討するものである。 研究を進めるにあたって、若者自立支援活動の現場に集う若者たちを「単なる支援対象」としてのみ認識するのではなく、「ともに社会的自立に向けて協同する主体的な存在」としてとらえ、彼ら/彼女ら自身による若者自立支援活動を実践する。その上で、この活動が若者たちにもたらす諸変化について社会学、臨床心理学等の観点から総合的に研究する。 具体的には、申請者自ら若者自立支援活動の一つである居場所活動に参与し、支援対象である参加者自身が活動の実践者になっていくプロセスを参与的に観察、検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、様々な理由から社会的自立に関して困難を抱えた若者たち自身が集い、自ら自分自身の困難と向き合うことを通して困難を克服ないし解決していく方法を探ることを目的としている。その際、自分自身の症状に対して専門家から診断を受けるのではなく自ら自分自身の症状を研究し病名をつけていくという当事者研究の実践に学び、若者たち自身が共同して自分自身の困難と向き合う技法を模索する。 こうした研究課題、研究目的にとって、当事者研究の場に実際に参加し、研究者自ら当事者研究を経験、実践することが非常に重要となるが、2022年度までコロナ禍の影響が甚大であり、当事者研究に十分に参加することができなかった。 2023年度に入るとコロナ禍は一応の収束に向かい、本格的に当事者研究へ参加できる状況となった。しかし当事者研究への参与観察を受け容れていただいていた団体が諸般の事情で一旦解散することになり、研究のフィールドを失う危機に見舞われた。だがその団体が形を変えて再出発し、当事者研究も継続することになった。さらに当事者研究を編み出した浦河べてるの家の向谷地生良氏が当事者研究のコーディネーターとして参加することになった。その結果、これまで以上に当事者研究の現場での実際のやりとりに触れることが可能となった。また、再出発した当事者研究の場で、当事者研究を実践している別の団体の方とも交流することができ、新たなフィールドを得た。 本研究は当初は2023年度で終了予定であったが、これらの成果をもとにさらに研究を続けるため、研究期間の延長をし、2024年度においてこれまで十分に行えなかった当事者研究の研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度までのコロナ禍により、本研究のメインの一つとなる当事者研究への参与観察が十分に行えなかったことが最大の理由である。また、当事者研究に参加させていただいていた団体の活動が一旦停止したことも理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は当事者研究への参与観察をできる限り多く実施し、研究の蓄積を図る。また、あらたなフィールドとしてこれまで受け容れていただいていた団体の他に、2023年度に新たに交流することができた団体の当事者研究への参加もしていく。 さらに、当事者研究の「本場」である浦河べてるの家へも訪問し、当事者研究に参加して、当事者研究の意義、当事者研究の具体的な進め方を学ぶ。 さらにそれをベースとして、社会的自立に関する困難を抱える若者たち自身が集い自分自身の困難を互いに共有しながら困難の克服ないし解決、あるいは困難と共に生きていく技法を編み出す場となり得る共同的なコミュニティを作り上げる方法について模索していく。
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