研究課題/領域番号 |
19K02537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
武石 典史 電気通信大学, 情報理工学域, 教授 (00613655)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 将校 / 官僚 / 後発国 / 文民 / 試験 / 近代化 / 業績主義 / 非西洋社会 / 武官 / 比較分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代日本に軸足を置き、タイ、ブラジルを比較対象としながら、三国における人材選抜をめぐるいくつかの側面を比較分析することを通して、各エリートの選抜のありかたが、その政治的アクターとしての特徴をいかに条件づけるのかを解明する。その作業をふまえて、後発国の業績主義的選抜の徹底度合いとエリート間葛藤との関係性を捉える枠組みを考察する。 より具体的にいえば、「後発国の文官・武官」という対象を教育社会学、政治学、地域研究の諸学を横断する実証分析の俎上にのせたうえで、近代化・業績主義・政治的秩序の力学をどこまで整合的に、あるいは対立的に関係づけることができるのかを見極める挑戦的な試みである。
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研究成果の概要 |
本研究は近代日本の軍事・文民両エリートの選抜制度・実態を検討しつつ、業績主義的な度合いと政治的秩序との関係性を検討するものである。なお、比較対象として、同じく非西欧後発国であるブラジル、タイにおけるエリート層の分析も進めた。 非西洋エリアは西欧先発国とは異なり、エリートを学力や試験による選抜で輩出するという特徴を有しており、したがって、軍事・文民エリートそれぞれの「業績」「選抜の度合い」が彼らの心性に大きな影響を与えていたことを明らかにした。併せて、後発国における政治集団間の葛藤を考えていくうえで、「業績主義が徹底している集団ほど心理的に優位に立つ」という視点の重要性を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は徹底した資料調査をもとに、「エリートの選抜」という教育社会学的視点と「政治的諸アクターの相剋」という政治学的テーマを架橋しつつ、非西洋後発国における業績主義の度合いとエリート間葛藤との関係性を、国際比較により考察しようとする冒険的プロジェクトである。教育社会学、政治学、地域研究の諸学との対話・検証に耐えうる実証的かつ説得的な見解の提示に努めた。 以上のように、文・武官という「政治学」的なアクターを、「教育社会学」的な概念・方法で分析することを通して、両ディシプリン間の対話を活性化させ未開の地を開拓しようとする意欲的な試みとなった。
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