研究課題/領域番号 |
19K02538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
玉井 昇 獨協大学, 外国語学部, 教授 (70527118)
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研究分担者 |
川崎 典子 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00775801)
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (60449113)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歴史教育 / ミクロネシア / パラオ / マーシャル諸島 / 南洋群島 / 委任統治 / 社会科教育 / 日本統治時代 / 内発的教育 / ミクロネシア連邦 / パラオ共和国 / マーシャル諸島共和国 / 教育事情 / 国際関係史 / オンライン調査 / オンラインインタビュー調査 / 委任統治領 / パラオにおける歴史教育 / パラオにおける社会科教育 / マーシャル諸島の教育事情 / 旧日本委任統治領 / 対日感情 |
研究開始時の研究の概要 |
①「ミクロネシア地域」における教育事情の全体的概要を把握した上で、初等・中等教育における社会科教育と歴史教育の現状を整理する。②その中で、日本とその関連事項がどのように描かれているのか、使用教科書や参考書等の記述内容を精査する。③さらに、現地の教育者や教育政策の立案者にインタビューを行い、教育関係者が抱く日本観を調査する。また、教育を受けた人々にも、日本観に関するアンケート調査を行う。④その結果、現代の教育が対日感情の形成に及ぼしうる影響の程度や可能性についての分析を行う。本研究の成果は日本語に止まらずできる限り英語等でも公表していくことで世界的な基盤研究の一部になることを目指していく。
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研究成果の概要 |
コロナ禍でも、現地関係者と遠隔で協働調査を行い、その調査過程を公開することで、広く他の研究者や教育関係者の見解なども反映させることができた。渡航制限解除後に実施した現地調査も含めた具体的な成果として、ミクロネシア3国が独自の歴史教科書の中で、日本統治時代に関する詳細な記述を持つことを確認した。しかし、その活用は現場レベルの裁量に委ねられ、教育の質にもばらつきがみられた。他方で、そうした教材作成にはアメリカの影響が大きく、財政面のみならず、資料面でも依存している。日本語で記述された当時の資料を活用するには、日本の協力が不可欠であり、相互理解を深める意味でも広範な視点での国際教育協力が求められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで世界的に研究の対象にされてこなかったミクロネシア地域の歴史教育について、教科書とカリキュラムの実態を調査し、その中での日本統治時代の取扱いを明らかにした。他方で、コロナ禍で取り組んだオンライン調査を一般公開することで、新しい研究手法とその成果の社会還元のモデルを示すこともできた。また、現地調査により特に現地教員の不足と外国人教員への依存に起因する現地の教育的課題を見出した。歴史を共有する日本とミクロネシア地域の相互理解を深めるために、新たに歴史教育を通じた協力や交流という視点を提示した。これは、戦時下で日本の支配が拡大した周辺地域にも当てはまる可能性が高く、更なる調査が望まれよう。
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