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ヨーロッパにおける移民の社会統合と公教育-英仏事例の比較研究とEUー

研究課題

研究課題/領域番号 19K02539
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09020:教育社会学関連
研究機関東海大学

研究代表者

小山 晶子  東海大学, 国際学部, 教授 (00645179)

研究分担者 菊地 かおり  筑波大学, 人間系, 助教 (40616843)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワード英語を追加言語とする児童生徒 / イギリス / EAL / アカデミー / 不利な状況にある / 教育的支援 / 移民 / 学習支援 / EU / 社会統合 / 公教育 / 英仏比較
研究開始時の研究の概要

ヨーロッパでは、庇護希望者の到来やEU域内における人の自由移動などを背景に、国内社会で共生をめざすための移民の社会統合は、最も重要な課題の一つとなっている。歴史的な移民受入れ国である英仏国では、公教育が社会統合に果たす役割に着目し、移民に対する特別な教育政策を実施してきた。しかし、これら両国ともに2010年以降には、移民に対する教育政策に新たな展開がみられた。本研究は、2010年以降に英仏国の学校レベルにおける移民生徒への教育的支援の多様化に着目し、両国の公教育制度にみられる先進的な事例が、EU諸国の公教育にとってモデルとなり得る側面について考察する。

研究実績の概要

2023年度においては、2022年度に実施したインタビューをもとに、英語を追加言語とする(EAL)児童生徒のカテゴリの捉えられ方の変化について、予算支出の対象と学校現場において特別な教育的支援を必要とする生徒といった側面に着目しつつ、データおよび政策文書の整理を中心に行った。
その背景として、第一に、コロナ禍における学校閉鎖の影響として、不利な状況にある児童生徒の学習の遅れに注目が集まる中で、EAL生徒は特別な教育的支援の対象にはならない傾向が、政策上も学校現場でも強まっていることである。また、第二に、EALカテゴリ内の児童生徒の背景の多様性が指摘される中で、EALカテゴリを政策の対象とする妥当性が問われるようになってきていることが挙げられる。
さらに、学校間の予算格差是正を目的として、共通算定方式(National Funding Formula: NFF)の導入が2016年に提案されたことに伴い、従来のEALを対象とする特別な教育的支援に及ぼす影響について、考察を試みた。この点については、まだNFFを暫定的に導入しているLAが目立つため、LAおよび学校現場における影響などに関する考察は、引き続き調査を継続しつつ行う必要性を感じた。
前年度までは、アカデミーを中心に調査を実施したが、2023年度には、地方当局にEALを支援するスタッフのチームが維持されているハンプシャー州の公費維持学校(初等中等レベル)の実態について聞き取り調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

イギリスにおける英語を追加言語とする児童生徒(EAL)を取り巻く教育的支援の有無と、そのカテゴリーに潜む児童生徒の背景の多様化に関する考察については、順調に調査および研究が進んでいると思われる。
その一方で、イギリスの事例を比較する予定であったフランスの事例については、調査はほぼ難しい状況に直面している。やはり、コロナ禍において現地の調査を実施できる期間が制限されてしまったことが原因となっている。フランスの事例について実態調査を行うことは難しいとしても、資料の上でできるかぎり情報収集に努め、比較考察の視点を検討したいと考えている。

今後の研究の推進方策

最終年度ということで、イギリスを中心として進めてきた調査に基づいたデータおよび資料を整理し、最終的な確認が必要な側面について現地調査を通して情報収集を行う。また、フランスの事例、およびEUの教育政策の動向などについて、一次資料の収集およびデータの整理に努める。すべての資料およびデータの整理を通して、日本語および英語での論文執筆に取り組む。イギリスについては、過去数年に渡る政策の展開とそれらが学校現場に及ぼした影響について収集できている資料およびデータに基づいて、著書等にまとめる作業について検討する。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] コロナ禍のイギリスにおける学力格差是正のための教育的支援2023

    • 著者名/発表者名
      小山晶子
    • 雑誌名

      東海大学教養学部紀要

      巻: 53 ページ: 181-192

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 欧州諸国におけるウクライナからの避難民受け入れ2023

    • 著者名/発表者名
      小山晶子
    • 雑誌名

      Human Security

      巻: 13 ページ: 137-149

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] イングランドにおける追加言語としての英語 (EAL)学 習者への支援体制の変化―アカデミーの事例に着目し て一2021

    • 著者名/発表者名
      小山晶子 菊地かおり
    • 雑誌名

      筑波大学教育学系論集

      巻: 45巻2号 ページ: 51-62

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] イングランドにおける追加言語としての 英語(EAL)学習者への支援の変容2023

    • 著者名/発表者名
      小山晶子 菊地かおり
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] コロナ禍のイングランドにおけるEAL学習者への支援(追加言語としての英語) ―リーズ市の事例から―2021

    • 著者名/発表者名
      小山晶子 菊地かおり
    • 学会等名
      日本比較教育学会第57回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ヨーロッパの教育政策にみる早期離学と進路保障ー学校から離れる若者、多様な学び方と教育訓練の場ー2021

    • 著者名/発表者名
      小山晶子
    • 学会等名
      日本比較教育学会第57回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] イングランドにおけるアカデミー拡大後のEAL支援体制の変化2019

    • 著者名/発表者名
      小山晶子 菊地かおり
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] EUにおける移民の社会統合政策と庇護・移住基金(AMF)への新たな展開2019

    • 著者名/発表者名
      小山晶子
    • 学会等名
      日本国際政治学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] コロナ禍に世界の学校はどう向き合ったのか―子ども・保護者・学校・教育行政に迫る―2022

    • 著者名/発表者名
      園山大祐、辻野けんま
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      9784491047607
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 学校を離れる若者たち2021

    • 著者名/発表者名
      園山 大祐
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779515293
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 変わりゆくEU2020

    • 著者名/発表者名
      臼井 陽一郎
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750350035
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] Origins and Consequences of European Crises: Global Views on Brexit2020

    • 著者名/発表者名
      Birte Wassenberg & Noriko Suzuki
    • 総ページ数
      225
    • 出版者
      Peter Lang
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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