研究課題/領域番号 |
19K02541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 日本女子大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
荒牧 草平 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (90321562)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | パーソナルネットワーク / 準拠集団 / 共生 / ネットワークの多様な機能 / 競争 / 孤立 / 参照機能 / ネットワークの影響 / 子育て態度 / 準拠枠機能 / ソーシャルネットワーク / 子育て方針 / 教育投資 |
研究開始時の研究の概要 |
教育格差を生み出す背景として、従来は、親の社会経済的地位や文化資本などに着目してきた。これらの要因が重要であることは間違いないが、近年、祖父母やオジオバといった親族、および、職場や近隣、学生時代の友人・知人による影響が注目を集めている。これまでの研究によって、親族・非親族を含めたパーソナルネットワーク・メンバーの持つ学歴や学歴志向が、子どもに対する親の学歴志向に影響することが明らかになっている。 本研究は、学歴志向に限られない親の教育態度に対するパーソナルネットワークの影響を、準拠枠という概念から理解することの可能性と限界について、独自の調査から明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
子育てネットワークに関する従来の研究は、育児期の母親を対象とした支援機能の解明に偏っていた。これに対し本研究は、①理論的・経験的研究のレビューに基づき、ネットワークの5つの機能を抽出し、②研究対象をポスト育児期の父親にも拡大して、ネットワークの多様な機能がもたらす効果を検討する初めての調査を実施した。その調査データを用いて、様々な教育態度に対するネットワークの多様な機能について分析を行い、子育てネットワークの状態が、「孤立」「競争」「共生」という3つのキーワードによってとらえられることを明らかにした。また、それらをふまえて、より望ましい社会に向けた提言を行った。以上の内容を書籍にまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の子育てネットワーク研究の関心は、ネームジェネレーター方式によるダイアドデータに基づいて、2者間の支援関係と規範的制約を解明することに集中していた。これに対し、本研究は、2者を取り巻く「ネットワーク環境」にも着目し、参照機能や居場所機能など多様な機能の効果に着目した。こうした研究枠組に基づいて調査データを用いた分析を行い、以下の点を検討した。第1に、特定の2者間の関係における比較機能や制約機能がもたらす「競争」のメカニズムに焦点を当てた。第2に、ポジティブな機能を果たすネットワーク環境の規模が、共生志向や社会への信頼感など、向社会的な影響をもたらす可能性を明らかにした。
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