研究課題/領域番号 |
19K02546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
吉田 武大 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (70512846)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アメリカ連邦政府 / 教育財政 / FIRST / FIPSE / 中等後教育改善基金 / 学校及び授業改善・改革基金 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アメリカ連邦教育省の一組織である「中等後教育改善基金」と「学校及び授業改善・改革基金」を対象として、これらの組織が実施する教育機関や地方政府等への財政支援に関する制度の特質を財政の配分と管理という観点から考察する。また、初等中等教育段階での財政支援を行う「学校及び授業改善・改革基金」が1988年にどのような経緯の下で制度化され、その後どのような展開をたどっていったのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、アメリカ連邦政府による初等中等教育補助金事業である学校及び教育方法改善・改革基金(以下、FIRSTと略)を対象として、FIRSTがどのような経緯を経て制度化されたのかを、アウグストゥス・ホーキンス-ロバート・スタッフォード1988年初等中等教育学校改善改正法の制定過程に焦点を当てながら明らかにする研究を実施した。 FIRSTはアメリカ連邦政府による高等教育補助金事業である中等後教育改善基金(以下、FIPSEと略)と同様の特質を有している。つまり、教育機関等に対して補助金の使用に裁量性を付与していること、補助金は一律に支給されるのではなく、すぐれた取り組みであると評価されたものに対して支給されることである。これらの特質を有するFIPSEがどのような背景のもとで制度化されたのかについては明らかにされてきた一方で、初等中等教育段階において、FIRSTがどのように制度化されたのかに関する研究はこれまでになされていなかった。 そこで上記の目的を達成するために、連邦議会関連の資料等を素材として検討を行った結果、次の2点が明らかになった。第1に、FIRSTはエドワード・ケネディ上院議員のリーダーシップのもとで制度化されたということである。エドワード・ケネディ上院議員は初等中等教育における刷新を推進すべく、FIRSTの制度化に貢献した。第2に、FIRSTの補助金支給対象が制定過程の当初は減少したけれども、両院協議会を経て再び拡大したということである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大が継続しているなかで、交通移動がある程度しやすくなったこともあり、東京・国立国会図書館での関連資料の収集活動をある程度実施することができた。しかし、渡航上の制約があり、アメリカでの現地調査および資料収集が2021年度に続いて2022年度もできなかったため、研究活動が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、FIRSTの制度化について、連邦議会での制定過程に焦点を当てて検討するにとどまった。今後、エドワード・ケネディ上院議員がなぜFIRSTを構想したのかを分析することで、初等中等教育における補助金事業のなかでのFIRSTの位置づけがより明瞭になると考えられる。 なお、新型コロナウィルスが五類に移行することで、交通移動上の制約がほぼなくなるため、上記の研究課題に関するアメリカでの現地調査を再開するとともに、国立国会図書館等での資料収集活動を活発に実施していく予定である。 また、引き続きウェブ上で収集可能な資料を収集するとともに、現地訪問予定の担当者とコンタクトを取りながら資料の所在等についても確認をしていく予定である。
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