研究課題/領域番号 |
19K02561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
太田 拓紀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (30555298)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 学校紛擾 / 教育関係 / 教育文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は大正・昭和初期中等学校の学校紛擾に焦点をあて、当事者である生徒や教師の動機の理解から出発し、紛擾発生の要因を明らかにする。まず、新聞誌面の検索により、大正・昭和初期における学校紛擾事例の把捉と集計を試みる。続いて、大正・昭和初期紛擾の事例研究を実施する。その際、生徒・教師が直接記した日記や回顧録、自伝といった生活史的資料を収集・活用するとともに、学校関係資料を広く用いて、紛擾発生校の教育文化の特性を検証する。最後に、当時期における教師・生徒関係の特質を理論的に検討し、現代における教育関係の課題を相対化しうる視座を得ようと試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は大正・昭和初期中等学校の学校紛擾の実態を明らかにし、その背景にある教育関係と教育文化の特徴について検討した。新聞の紛擾記事の分析からは、既存の研究で指摘があった明治期後半とともに、大正後期にも紛擾件数にピークのあることが分かった。また、紛擾の事例研究からは、新・旧の学校文化と生徒文化の齟齬が紛擾を惹起したこと、近代学校の基層で維持され続けた人格的な教育関係が紛擾の背景にあったことなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、中等学校の紛擾史研究では対象が明治期に偏っていたが、本研究は大正・昭和初期に焦点づけて、紛擾の件数を実証的に示し、事例から紛擾の実態を詳細に明らかにできた。また、既存の研究が第三者の資料を主に用いてきた一方で、本研究は当事者である生徒・教師の主観的意味世界に着目し、紛擾時の行為や動機づけに迫ることで、新たな紛擾像を提示できた。以上により、教師・生徒関係が揺らぐ現代において、教育関係の課題を相対化しうる視座を提供できたと考える。
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