本研究は、主に日本の中等教育・中等後教育で工業教育カリキュラムを学ぶ(学んだ)女性に焦点を当て、彼女らのキャリア形成を検討することによって、工業分野における職業教育の今日的課題を明らかにすることを目的としている。具体的には、「女性活躍推進」政策や業界施策、学校の職業教育や就職などに関する動向を整理し、本研究の学術的・政策的な位置づけを明確にしたうえで、インタビュー調査を中心に、「工業系女子」に固有の学校経験や職業選択、キャリア形成を明らかにする。以上より、工業教育と女性のキャリアの関連を「学校から職業への移行」の文脈で考察し、今後の職業教育をめぐる理論的・実践的示唆を提示する。
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