研究課題/領域番号 |
19K02568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
澤田 稔 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (00367690)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 社会的公正 / 準市場 / カリキュラム / 教育方法 / 批判的教育学 / 正義論 / Nancy Fraser / MIchael Apple / ウェルビーイング / コンピテンシー / デモクラシー / インクルージョン / 緩さ / 社会的公正(social justice) / カリキュラム・教育方法 / 学校運営 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「準市場」及び「社会的に公正な教育」を鍵概念として、学校教育において社会的公正とは何を意味するのか、それは準市場を介した政策によって実現可能なのか、可能だとすればどのようにしてなのか、という諸点に関する理論的研究、及びそうした学校教育のカリキュラム・教育方法及び学校運営に関する事例研究に取り組むことにある。その際、準市場、社会的公正、及び批判的教育学を含む「社会的に公正な教育」論に関する理論的考察に関しては教育学のみならず政治学・社会学をも含む各種文献研究を中心とし、日米欧の政策・実践事例に関する批判的検討に関しては、実地調査によるデータ収集とその分析に基づくことになる。
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研究成果の概要 |
理論面では、Nancy Fraserの政治哲学の教育学的応用可能性の探究を進め、実証面では、主として米国Bostonのpilot schoolsと呼ばれる準市場システムのもとで運営されてきたMission Hill Schoolを事例として実地調査を進め、「社会的に公正な教育」及び「準市場」を鍵概念として、学校教育において社会的公正(社会正義)とは何を意味するのか、それは準市場を介した政策によって実現可能なのか、可能だとすればどのようにしてなのか、またたとえ可能だとしてもそこにはどんな課題が生じるのかという問いに対する一定の解答・知見を整理し、口頭発表や論文執筆を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、「社会的に公正な教育」(あるいは社会正義のための教育)という概念の理論的彫琢と、この規範論的理念の実現形態としてのカリキュラム・教育方法・学校運営に関する実践的探求とを相互連関的・往還的に進めたことにあると考えられ、その社会的意義は、グローバル化を背景として社会的諸条件の有利・不利に関わる不平等・格差問題や、多様な背景を持つ子ども・若者の教育における包摂や参加民主主義という問題への対応が公教育改革においても課題として焦点化されつつある今日、近未来における公教育像の可能な選択肢のあり方の一つを描く上で、一定の示唆を提示することに寄与できるという点にあるように思われる。
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