研究課題/領域番号 |
19K02601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 大阪青山大学 (2021-2023) 千里金蘭大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
小島 賢子 大阪青山大学, 看護学部, 教授 (00568389)
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研究分担者 |
大方 美香 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (80233055)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 医療保育士 / 専門性と役割 / 多職種との協働 / 子どもの療養環境 / 医療保育の専門性 / 医療保育の役割 / 専門性 / 子どもの療育環境 / 医療環境と成育支援 / 協働 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、医療保育士の養成は、日本医療保育学会の認定だけでなく、3年制の専門学校、短大および大学で行われており、医療保育専門コースや医療保育専攻科とされている。専門学校、短大、大学の療保育士の養成課程と欧米の医療保育士の養成課程の違いを検討し、その専門性を明確にする。さらに、現状の医療保育士の役割と活動から、医療保育士の専門性に必要な知識と課題を明確にし、課題の解決に向けた養成課程への提言を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の2023年度の研究は、2021年度で行った文献検討(学術雑誌に発表済み)をもとに、現任の医療保育士のインタビューガイド「医療保育士の役割と専門性への認識」、「多職種者とのコミュニケーションのあり方」「工夫についてどのように行われているのか」「医療保育士自身が受けた保育士養成課程について」「医療保育士養成課程への意見、要望について」に則って、12名の医療保育士を対象としてインタビューを行った。対象者の選定は、医療保育士を5年以上経験し、かつ、職場は、小児専門病院とした。また、小児専門病院は、5都道府県より選抜した。コロナ感染による活動の制限があったため、インタビューは、電話およびWEB会議システムZOOMを使用した。インタビューの内容を逐語録に起こした分析方法は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて、逐語録のデータから専門性と役割ついて語られている箇所を抽出し分析をした。 結果、医療保育士が認識している医療保育士の専門性と役割に関しては7概念であり、医療保育士は患児の入院前の生活を重視し、【自分らしさへの支援】【遊びの提供によるモチベーションへの支援】とともに【患児の本来の生活への支援】を専門性と認識していた。また、保育士本来の役割である【患児の成長・発達への支援】を行いつつ【患児と家族の心への支援】から【患児と家族と医療従事者とのパイプ役】となり【医療保育士と看護師との連携・協働】を役割としていた。しかし、病状の変化による保育活動の変更は戸惑いが大きく、自身の意見を理路整然に伝えることの難しさを感じており、協働することへの戸惑いなど心理的な負担感があることが示唆された。他には、子どもの情報を期待されていること、また、看護師との協働では専門性の違いがあり、そのことでより良いケアが実践できること等が明らかになった。今後、他のデータを分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナにより活動制限があったため、研究対象者を直接病院の関係各位から依頼の承諾を取り、依頼するという方法に変更を余儀なくされたためデータの収集が遅れることとなった。12名の医療保育者の方々のインタビューができ、2023年3月までの日程が前年度よりずれ込んでいたため、終了が遅れたことが要因となったと考える。また、研究協力者との打ち合わせを行ったが、コロナのため、大学で直接会う事ができない期間が長かったことと、日程の調整について、お互いが実習指導を担当していたため、日程調整が難しかったことも要因となっていた。さらに、ZOOMによる協議は進みにくく、コロナが5類となった時期から直接分析の結果について協議し、検討することができたが、十分な時間を確保することが難しかった。また、分析方法に簡易版M-GTAを使用することで、スーパーバイザーとの合議することが必要となり、助言をもらいながらの分析となったことが要因でもある。このような要因が重なったが、分析には十分に時間をとれたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、今回まとめた医療保育士の専門性と役割についての認識を日本看護科学学会にポスターセッションする予定である。また、他のインタビューガイドによって得られたデータを分析し、医療保育士が多職種協働するためには医療保育士がその専門性と役割を十分に発揮するためには何が必要であり、そのことから、保育士養成課程のカリキュラムが影響を与えるものなのかを明らかにする。さらには、研究のテーマである医療保育士の医療職種との協働を推進する養成課程への提言への示唆を得る予定である。
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