研究課題/領域番号 |
19K02607
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 松山東雲女子大学 (2022) 札幌国際大学短期大学部 (2019-2021) |
研究代表者 |
岡部 祐子 松山東雲女子大学, 人文科学部, 准教授 (80597899)
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研究分担者 |
中野 茂 札幌国際大学, 人文学部, 教授 (90183516)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 保育の質 / 個と集団の育ち / 熟達保育者の経験知 / 保育者育成の教材開発 / VideoInteractionGuidance / 質の高い保育実践 / 保育者の育成 / 保育映像教材 |
研究開始時の研究の概要 |
個と集団の育ちを支える質の高い保育実践にむけ保育者の後方支援や養成の工夫は喫緊の課題である。調査から熟達保育者が経験知を有していることが示唆されたが、活用事例は見られない。これらの経験知を可視化・教材を開発し、保育を学ぶ学生らに対し教材を用いたVIGを実施し効果の検証をする。具体的には①熟達保育者の援助の映像記録収集と援助の意図の調査、②質的調査による熟達保育者の高次の中心概念の抽出、③①②から映像付教材を作成、④教材を用いたVIGでの対象学生の保育者の役割概念・対子どもへの共感性の活性化、⑤繰り返し視聴による変容過程の分析、教材の有効性および学生個々が行き詰まる壁とその際の助言法を検討する。
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研究成果の概要 |
保育実践力の向上を目的に熟達保育者の経験知を活かした教材開発と適用方法について検討をした。熟達保育者の実践・解説・中心概念の語りの映像教材を作成しA保育学生とB現任保育者に対して、A視聴と気づき・感想の記述、B視聴と気づきの記述+2回目視聴・気づきの加筆・感想の記述の2つの方法で調査した。その結果BはAよりも記述量が多いが内容に大きな違いはなかった。一方視聴前後に関りの視点に関する記述を計量テキスト分析したところ頻出語は前後で入れ替わり「促す」「見守る」といった保育者らしい語が消え、「感じる」「考える」「聞く」など自然な行為を表す語が増えた。本教材が関りの視点に影響を与える可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、保育の「質」の向上にむけた試みである。子どもの人権を大切にし将来を見通した関わりを行う熟達保育者の実践から学ぶことは多くある。本研究はこうした視点から課題となっている多忙な保育者への後方支援、未来の保育者への実効ある学習方法について開発・検討した。教材作成について熟達保育者を峻別しその実践を映像記録に収めることは容易ではないうえに、予期しない状況に遭い困難を極めたが、対象保育者・保育施設・園児・保護者・専門職の協力によって叶えられた。学習方法の検討は途上にあるが、熟達保育者の実践映像と修正メッセージ映像の視聴により、保育実践の根幹となる保育観に影響を与えることが示唆された。
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