研究課題/領域番号 |
19K02608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 畿央大学 (2023) 大阪芸術大学短期大学部 (2019-2022) |
研究代表者 |
森岡 伸枝 畿央大学, 教育学部, 准教授 (20448187)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 戦時 / 絵本 / ジェンダー / 文部省推薦図書 / 幼児 / 文部省推薦図書委員 / 道徳 / 道徳心 / 戦時中 |
研究開始時の研究の概要 |
戦時中の文部省推薦絵本を分析し、文部省が幼児に対して「皇国民としての道徳心」をいかに考えてきたのかを明らかにするため、以下の3点の研究に取り組む。 1)文部省図書推薦事業の全体像を明らかにする。そして、本事業における文部省推薦絵本とは何であったのかを分析する。 2)文部省推薦絵本の内容分析から、幼児に求められた道徳心とは何かを考察し、いつから国家に対する忠誠心などが強調されていったのかを明らかにする。 3)文部省、内務省がどこまで幼児を皇国民として考えていたのかについて、両者の違いや共通点を時代の変遷とともに考察する。
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研究実績の概要 |
今年度は、文部省推薦絵本の現物の収集と分析を続け、その内容には戦時下の政治的状況に影響を受けている事柄以外の部分について、掘り下げた分析を行った。 具体的には、ジェンダーについて分析し、男の子の描かれ方、女の子の描かれ方の違いに着目した。その結果、男の子は活発な様子で、元気よいさま、特に健康の側面が強調されていたことがわかった。そして、女の子については、男の子や父親の後ろを歩く位置づけにあったり、ままごとや花を摘む様子が描かれていることもわかってきた。こうして、男女のジェンダー規範が幼児への教育観にも影響していることが明確となった。 また、海外(アメリカ)への調査も行い、スタンフォード大学フーバー研究所の所蔵資料(紙芝居コレクション)をみることができた。この研究所には、日本の戦時期に関する資料が多数所蔵されており、相当な見ごたえのあるものばかりであった。これにより、絵本だけではない、戦時期の子どもの描かれ方を確認でき、ジェンダー規範とは何だったのかを複合的に考えることができた。ただ、仕事の都合上、滞在できる日数がかなり限られていたため、再度訪問して資料を閲覧していく必要があると感じている。 以上のように、今年度は研究調査に時間を費すことが出来たといえる。この成果については来年度は論文として作成する予定である。また2024年度に採択された「ひらめきときめきサイエンス事業」において参加者の子どもたちに研究成果を伝えていくが、その準備はまさにこの2023年度の研究活動により整えられたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個人的な事情であるが、介護中の両親が新型コロナに次々と感染し、その対応に追われ、研究はもちろん研究を進めるための仕事も含めて様々なことが予定通りに進むことが困難であった。今後については、研究を進められるような環境づくりを今現在進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2024年度に採択された「ひらめきときめきサイエンス事業」において参加者の子どもたちに研究成果を伝えていくことも含め、これまでの本研究の目的と成果をまとめることにした。具体的には、社会教育学関連の学会への投稿を予定しており、現在執筆中である。また、今年度、これまでコロナ禍の影響によって調べられなかった日本の資料館や博物館を訪れたり、海外に残っている日本の絵本の収集をできる限りしていきたいと考える。
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