研究課題/領域番号 |
19K02631
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 花園大学 (2023) 聖泉大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
炭谷 将史 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (20410962)
|
研究分担者 |
奥田 援史 滋賀大学, 教職大学院, 教授 (10233454)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | アフォーダンス / 園庭 / 自由遊び / 外遊び / マッピング / 活動量 / レイアウト / 生態学的情報 / 屋外環境 / 遊び / 発達 / 幼児教育 / 水たまり / 保育 / 遊具 / 砂場 / 空間配置 / 活動量計 / エコロジカルマップ / 生態 / 幼児教育施設 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はエコロジカルマップの作成を通じて遊びを可視化することで園庭環境の変化に伴う子どもの遊びの変化を検討することを目的とする。 エコロジカルマップとは,子供の遊び行動を身体活動量や強度などの量的データと観察による質的データを組み合わせて図示することによって,子どもにとっての場所の機能的意味をより分かりやすく表現した生態的地図である。この地図を遊び場の理解に援用することで遊び行動を可視化し,遊び行動をより分析的に捉え直すことが期待できる。 その上で子どもたちの園庭での遊びを分析し,多様性を持った遊びが生まれる園庭環境を提案することを企図している。
|
研究実績の概要 |
<研究最終年度の成果> 研究最終年度も水たまりで遊ぶ園児を対象に研究を実施した。水たまり周辺で着目するべき事象として移動(入水を含む)や変形が観察されたが、特に周辺の場所や物の変形行為に着目した分析を行った。水たまり内の水はもちろん、周辺の泥のサブスタンシャリティ(ものっぽさ)を様々に活用しながら遊ぶ園児の姿から、園児が水が持つ多様な特徴を活用しながら遊びを構築している姿が浮かび上がってきた。園児らは水たまりでの遊びにおいて、特に水が有する視認性(地面と水面の質的違いからすぐに目につくこと)や合成性(他の素材と合わさることで泥の質を変化させられる)、流動性(流れる・流すことができる)、即応性(生体の動きに瞬時に反応する)といった特徴を活用していた。 <研究期間全体の成果> 研究期間全体では、園庭における幾つかの重要な要素、例えば凹凸や遊具の配置(レイアウト)などの変更と遊びの変化・充実を明らかにし、それを可視化するエコロジカル・マップの作成を行ってきた(炭谷、2020;2021;2022;Sumiya & Nonaka, 2021他)。特にその中で明らかにしたことは以下の諸点であった。1)段差・斜面:平面では生まれない行為の可能性をいくつも生み出しており、実際に園児たちはそれを活用しながら遊んでいる様子が確認された。2)水:砂場に設えられた斜面、石段、また砂場と水場の距離など、水を活用するために多様に織り込まれたレイアウト上の工夫が遊びの充実に寄与していることを可視化した。3)行為を分けるレイアウト:砂場内での砂の行為と水を運ぶ行為、特定の場所に停留して遊び行為と移動などといった干渉する可能性のある行為が分けられていることがじっくりと遊ぶために重要であること。4)豊富な道具:園児同士の交流には幾つかのタイプがあるため、道具の数や機能を踏まえて準備することの必要性を指摘した。
|