研究課題/領域番号 |
19K02637
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 名古屋学芸大学 (2022) 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 (2019-2021) |
研究代表者 |
中村 みほ 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 教授 (70291945)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 視空間認知障害 / 脳室周囲白質軟化症 / 自閉症スペクトラム / ウィリアムズ症候群 / 語彙発達 / 共同注意 / 非言語性コミュニケーション / 語彙獲得 / 脳室白質軟化症 |
研究開始時の研究の概要 |
脳室周囲白質軟化症(PVL)患児における初期の語彙獲得を、ウィリアムズ症候群(WS)、自閉症スペクトラム(ASD)患児と比較検討する。以下の点に着目する。 1) 視空間認知障害を呈するPVL患児において、WS患児におけると同様に「位置や場所を表す語彙」の発達が遅れることを確認できるか? 2) ASD様症状を呈さないPVL患児、WS患児においても共同注意の発達が遅れ、始語が遅れることを確認できるか?
|
研究実績の概要 |
本研究は、視空間認知障害を示すことで知られているウィリアムズ症候群において「位置や場所を表す語彙」の獲得が他の領域の語彙に比して遅れるという我々のプレリミナリーな知見をもとに、ウィリアムズ症候群に限らず視空間認知障害を示す複数の疾患の患者において、視空間認知障害が「位置や場所を表す語彙」の獲得に影響する可能性を検討することにより、疾患横断的に「特定の認知機能(この場合視空間認知障害)の遅れ」がその関連領域の語彙獲得に影響する新たな知見を得ることを目指した。また、合わせて、視空間認知障害を持ち、かつ(後々も)自閉症スペクトラムとは診断されない他疾患患児において、共同注意の発達の遅れをみとめるか否かも検討し、視空間認知が視点取得、並びに共同注意の発達に影響する可能性について検討することを目指した。対象疾患としてウィリアムズ症候群、自閉症スペクトラムに加えて、脳室周囲白質軟化症を想定し、研究協力を依頼した医療機関からの紹介患者に研究参加を依頼する計画であった。しかしながら、今年度においても、対象とした脳室周囲白質軟化症の患児の受診に至らず、研究依頼を行うことができなかった。 また、自閉症スペクトラム、ウィリアムズ症候群のそれぞれの患児については、その認知発達(特に視空間認知発達と語彙発達)についての観察研究をすすめたが、covid-19の影響、並びに研究代表者が医学の臨床現場に携わる機会が研究立案当初想定していた時点にくらべて不可抗力により大きく減少したことにより、想定した外来患者数の診察ができない事態となった。それらの結果、想定した研究参加者数を得ることができず、当初予定した研究進展の度合いから大幅に遅れているのが現状である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
脳室周囲白質軟化症の患者の紹介受診を得ることができなかった。(協力依頼先の医療機関によれば従来に比して、理由は不明であるが本症の患児が少ないとのことであった) また、covid-19による受診控えの現状から、研究参加を患者サイドに依頼することが困難な状況が続いている(自閉症スペクトラム患者においてはcovid-19流行以前の状況以上に配慮を要した)こと、また、常勤勤務退職後も同一施設においての非常勤勤務による現場の臨床継続を想定して研究計画を立てていたが、不可抗力によりその機会が大きく削減されたため診療患者数が減少したこと などから、研究参加を依頼する機会が減少し、想定した研究参加者数を大きく下回ったため。
|
今後の研究の推進方策 |
脳室周囲白質軟化症については紹介いただくことを待つ以外に方法がないため引き続き待機しつつ、自閉症スペクトラム、ウィリアムズ症候群について、可能な限り検討を続ける。また、視空間認知障害を示すとされる他の疾患(カブキ症候群、22q11.2欠失症候群など)を対象に、視空間認知障害の検討を深め、これまでのウィリアムズ症候群における研究成果と比較検討し、視空間認知障害の病状についての介入に関して疾患横断的な応用が可能か否かについての検討を行う。
|