研究課題/領域番号 |
19K02640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
秋山 麻実 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90334846)
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研究分担者 |
高橋 英児 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40324173)
新野 貴則 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60353380)
小島 千か 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80345694)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 保育者 / 主体的・対話的・深い学び / 学びのネットワーク / 保育文化 / 社会構成主義 / 探索 / 保育 / 対話 / 文化創造 / 地域 / 保育実践研究 / 保育の質の向上 / 保育者の成長 / レッジョ・エミリア・アプローチ / 保育者の専門性 / 主体性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域の教師・保育者・研究者による協同的保育実践研究のあり方を社会構成主義的な視点から捉え、教師や保育者が探索的な主体として、保育の意味や価値を創り出し、地域の教育・保育文化を創造する方途を明らかにする。具体的には、 1.地域の教師、保育者、領域を横断する研究者による研究会を組織する。 2.探索的、すなわち自由で多様な広がりをもつと同時に、深く掘り下げる保育実践検討を行う。 3.教師・保育者が捉える子どもの育ちを、地域社会に発信する。 4.国内外の社会構成主義的保育実践および保育者の専門性向上について研究・整理する。 5.上記の実践研究を支える教員養成系学部および附属園のあり方を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、コロナ禍において無理なく、かつ効果的に保育者の学びと保育の循環を促すような保育者の学びのネットワークを継続するために、合計13回のオンライン研究会を行った。そのさい、さまざまな立場や課題を抱える保育者が、主体的に集まって対話するなかで、問題を共有しともに学びあうことを可能にするために、誰でも記録が書けて考えあえる仕組みづくりや、初任者・中間管理職・ベテラン・管理職などに分けた課題の掘り起こし、愚痴から始まる保育考察などの回を設けて、一つの話題でも複数回設定するようにした。この結果、身近で些末な話題から、保育をよりよくしたいという思いを明確化できたり、苦手だと思っていた記録が書ける自信がついたりといった研究会の意義が明確化され、それらを参加者と共有できるようになった。 それらの結果を感想文などのかたちで集積し、日本生活指導学会第40回大会(9月11日)にて学会発表を行い、『教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要』第28巻にまとめた。 コロナ禍のため実施できなかった海外視察(イギリス)を実施し、2023年度の海外視察および意見・情報交換の準備とした。保育者同士の学びあいのネットワークをどのように構築し、それを保育実践にどのように活かせるかというテーマについて、同じネットワークに所属する3園を視察・意見交換し、「子どもの主体性」といったキーワードについて、園によって、あるいは保育者によって解釈の違いがあるが、そうした差異の存在が学びあいにどのような効果を生むかといった課題があることが見えてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響を受け、海外視察についてはまったく進捗しなかったところから、2022年度末に視察を実行することができた。当初の進捗と比較すれば、「やや遅れている」に該当するため、2023年度への延長を申請したが、2022年度の視察により、課題の見直し、今後の協力体制の見通しを立てることができた。そのため、2023年度には順調に当初計画通り研究を進めることが可能と判断している。 地域の保育・教育研究会の実施については、これもコロナ禍の影響の為困難を極めたが、オンライン実施の方法の工夫により、順調に進められるまで回復してきた。一方で、対面でシンポジウム等を企画することで、地域の保育文化の創造をはかる点については、これもコロナ禍の影響により、2022年度までに実施することができなかった。2023年度にようやく実現する見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、22年度に引き続き、オンラインを中心としながら研究会を実施する。これについては、オンラインの便利さ、つまり保育後すぐ、あるいは午睡の時間などに研究会に参加することができるというメリットが、保育現場から指摘されていることによるが、一方で対面の話しやすさを忘れつつあるという問題もあるため、数回は対面でと考えている。 計画当初、アート活動に関する探索のニーズは、自然に発生すると見込んでいたが、そうではなかったため、2023年度はイベントと組み合わせたシンポジウムというかたちで、アート活動の意味を見直す方向で研究を進める。 また、海外の保育施設との対話的な学びあいを構築すべく、視察と意見・情報交換を行う予定である。
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