研究課題/領域番号 |
19K02642
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
廣瀬 聡弥 奈良教育大学, 学校教育講座, 教授 (40419461)
|
研究分担者 |
山田 一憲 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (80506999)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 遊び / 幼児 / 快情動 / 多様性 / 効果 / 即時・遅延効果 / 教育・保育形態 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの国において,遊びを幼児期の中心的な活動と捉え,教育・保育の中に取り入れている。一方で,遊びの機能について,これまで示されてきた遅延効果が再現できないといった報告がなされている。そこで,幼稚園等における長期間の営みの中で生起する遊びの効果を再検証する必要がある。 本研究の目的は,幼児教育・保育における遊びの機能の中で,特に快情動と多様性に着目し,教育・保育形態による即時効果と遅延効果を明らかにすることである。本研究によって,遊びの効果について実証的に示されるだけでなく,幼児教育・保育における遊びの新しい位置づけや教育・保育の方法が提案できると期待している。
|
研究実績の概要 |
本研究は,幼児教育・保育における遊び機能の中で,特に快情動と多様性に着目し,教育・保育形態による即時効果と遅延効果を明らかにすることを目的とする。即時効果を調べるために行動観察,遅延効果を調べるために質問紙を用い,以下の2点を明らかにする。1)教示指導・遊び的教示型と自由遊び・総合的遊び型の2形態の幼稚園等において,子どもの遊び行動等を観察し,遊びの状況と快情動や多様性の関連について定量的に示す。2)“20歳の同窓会”等の行事を実施している2形態の幼稚園等において,卒園した20歳の研究協力者に質問紙調査を行い,様々な状況において楽しみを見つけ希望を生み出す力や自己効力感,多様性へ向かう力や対応力との関連を明らかにする。 2020年度の新型コロナウイルス感染症による影響のため,観察を行うことができず,1)の観察が行えなかった。また,同様の理由で行事が開催されず,2)の調査を実施することができなかった。そこで2021年度より,大学生を対象とした質問紙による大規模調査を実施することに変更した。 その結果,遊びとの関連の結果より,現在の社会情動的スキルと関連のあった項目は,現在している遊びより幼児期にしていた遊びの方が多いことがわかった。遊びの3タイプにおいては,教育的遊びが多いと社会情動的スキルは低くなるが,本来の遊びと隠れた遊びが多いと社会情動的スキルが高いことがわかった。加えて,教育的遊びに関して,社会情動的スキルに影響を及ぼすのは幼児期のみであり,現在の遊びは関連しないこともわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の研究実績の概要で述べた通り,コロナの影響により計画変更をした。そのため遅れているが,現状で実施できる調査については順調に進み,成果が出ている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,2022年度と同様に大学生等を対象とした質問紙調査によって,在籍した園の形態,幼児期にどのような遊びをし,それが現在の様々な状況において楽しみを見つけ希望を生み出す力や自己効力感,多様性へ向かう力や対応力と関連しているか明らかにする。変数間の関連を調べるために,大規模調査を実施し,多変量解析により分析を行う。 当初の計画では園単位で質問紙調査を実施する予定であったため,園の教育形態に信憑性があった。しかし,大学生等を対象とするために,園の教育形態が不明確となる。そこで,園名を記載し後ほど確認するなどの作業を通して,信憑性を高めることができれば,当初の計画通りの分析が可能と考えられる。 既に,質問紙によるデータ収集は完了しており,現在は上記の丁寧な分析を実施している。そして,分析と成果報告に向けて進めている。
|