研究課題/領域番号 |
19K02643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮口 英樹 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (00290552)
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研究分担者 |
宮口 幸治 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20706676)
石附 智奈美 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (50326435)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 境界知能 / 非行少年 / コグトレ / 認知機能 / 認知トレーニング / 認知プログラム / 少年院 / 感覚プロファイル / 発達障害 / 認知機能強化 |
研究開始時の研究の概要 |
非行少年の社会復帰プログラムでは、先行研究から認知行動療法やSSTの効果が検証されているが、一方でいくら指導しても深まらない少年たちの存在にも苦慮させられている。その中には、視覚認知、聴覚認知、ワーキングメモリなど様々な認知機能に問題をもっているケースも多く、矯正教育の成果を上げるためには、ある程度の知的機能を保つことが課題となる。本研究は、少年院内だけでなく境界知能者の生活自立活動能力の向上、就労支援を目指した認知トレーニングのシステム作りを目的とし、認知機能向上に加え、社会生活支援にあたっている専門家を対象に聞き取り調査を行い、プログラムを改良・充実することを目指している。
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研究成果の概要 |
本研究は、矯正施設収容者の中でも特に境界知能者該当する者を対象に生活自立活動能力の向上、就労支援を目指した認知トレーニングの効果を検証した。方法は、少年院収容者および比較的年齢が若い成人受刑者を対象に週1回15回の3か月間のプログラムの効果を検証した。その結果、コントロール群を設定したウェスクラー記憶検査の論理的記憶課題が介入群のみ有意に向上していた。他者の話を聞く力は、就労場面では特に重要であり、本研究の目的である認知機能強化介入プログラムの有効性を示す結果が得られた。研究全体を通じて①処理速度の遅さ、②言葉・文書を聞き取る力の弱さ、③視覚イメージ生成力の弱さの3点が要点となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から発展した成果の一部は、法務省矯正局に報告書「就労移行準備指導モデルプログラム」として提出済みである。報告書では、本研究により再犯防止推進計画の7つの重点課題のうち「就労・住居の確保」の中にあげられている「一般就労と福祉的支援の狭間にある者の就労の確保」に応じた課題を提案することに繋がった。令和5年度より、全国の若年受刑者を対象に研究成果の妥当性を検証する。境界知能者が必ずしも再犯を犯すリスクがあるわけではないが、我が国ではこの分野の研究はほとんど行われていないため、本研究が矯正施設における境界知能者の処遇の改善に繋がる可能性がある。(矯正教育研究第67巻に掲載済み)
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